温泉

2024-03-22

人生で一度は行ってみたい! 世界の秘湯・名湯

日本のみならず、世界中で愛されている温泉。
海外の温泉は日本の温泉とは雰囲気や趣が異なり、また違う楽しみ方ができることから観光客にも人気のスポットとなっています。
そこで今回は、人生で一度は行ってみたい海外の秘湯・名湯をご紹介します。

アジアの温泉

温泉というと日本のイメージが強いですが、アジアのほかの国々にも著名な温泉地があります。

台湾:北投温泉

台北市内からのアクセスも良好で気軽に訪ねられる温泉地・北投温泉。
温泉はもちろん、北投温泉博物館や美しい木造建築である北投図書館など、温泉街全体にさまざまな観光スポットがあります。
温泉で体の疲れを癒したら、街をのんびり観光して周るのも楽しそうです。

タイ:ロック・バレー温泉

タイのなかでも風光明媚で自然が豊かなエリアとして知られる、カンチャナブリーにあるロック・バレー温泉では、なんと15種類もの温泉を楽しめます。
温泉スパ施設内には緑も多く、まさに南国のリゾートらしい雰囲気。
日本の温泉旅館とは一風異なる温泉体験を楽しむことができるでしょう。
ロック・バレー温泉は、ドクターフィッシュがいる浴槽に入る「フィッシュ・スパ」を楽しめることでも知られています。旅行に未知の体験を求める方にもおすすめの温泉です。

中国:清池温泉

周の時代から知られているという長い歴史を持つ華清池温泉は、西安の郊外、驪山の麓にある庭園にあります。
かの有名な楊貴妃と玄宗皇帝が入浴した記録もあるという著名な温泉で、現在も楊貴妃が使用したという海棠湯の浴槽が復元されているとのこと。
ほかにもたくさんの浴場があり、いろいろな入浴体験が可能です。
西安駅前からバスで45分ほどとアクセスもさほど悪くありません。中国の長い歴史を偲びながら温泉に入る稀有な体験を気軽に楽しめます。

ヨーロッパの温泉

ヨーロッパにもたくさんの温泉があります。
特にチェコやハンガリーは温泉やスパが有名なことでも知られていて、観光客にも人気です。

イタリア:ムリーノの滝

火山の多いイタリアは、日本と同じくたくさんの温泉がある国。なかでもトスカーナ地方は温泉が多いことで知られています。
たくさんの温泉があるなかでも一番の景観で知られているのが、サトゥルニアにある「ムリーノの滝」です。
滝という名の通り、この温泉は渓流を流れてきたもの。
川として流れてきた温かい水が滝になり、滝壺は天然のぬるいプールとなっているのです。
入場料等はなく、1年中自由に出入りできるのも高い人気の理由。
世界中から観光客が訪れ、豊富なお湯が流れ落ちる滝とトスカーナの美しい丘陵という絶景を楽しんでいます。
お湯の温度は37度と少しぬるめなので、春から夏の暖かい季節に訪ねるのがおすすめです。

ハンガリー:ゲッレールト温泉

ヨーロッパでも最大の温泉大国といわれるハンガリー。首都であるブダペストにもたくさんの温泉施設があります。
ゲッレールト温泉は、ブダペストでももっとも美しい温泉といわれているそう。
アール・ヌーヴォー様式の洗練された建築が一際目をひきます。
鮮やかな水色が美しいプールの左右にある4つの温泉は、日本の温泉と比べると水温はぬるめ。
その分長くつかっていてものぼせにくく、のんびりとリラックスして楽しむことができます。
また屋外にもジャグジー付きのサーマルプールやサウナ、スパ設備があるのもゲッレールト温泉の特徴。
夏に行っても楽しめる、バカンスにぴったりの温泉です。

チェコ:カルロヴィ・ヴァリ

入浴するのではなく「飲む」温泉が楽しめる、チェコでも最大の温泉都市として知られているカルロヴィ・ヴァリ。
源泉が発見されたのは14世紀の半ばという長い歴史を持つ温泉です。
コロナーダという飲泉場が街のあちこちに点在していて、陶器のマグカップで源泉を飲みながらの街歩きを楽しむことができます。
源泉は少々しょっぱい味わいとのこと。
名物のウェハースなど、甘いものとあわせて楽しむのがおすすめとされています。

北欧や中米の温泉

北欧や中米にも世界的に有名な温泉があります。

アイスランド:ブルーラグーン

温泉の国とも呼ばれるアイスランドでは、家庭で使う水道水もほとんどが温泉。
蛇口をひねると温泉が出てくるというのですから、どれほど温泉が身近なものかがよくわかります。

アイスランドのレイキャビクにあるブルーラグーンは、地熱発電の排水を利用した世界最大の露天風呂として知られています。
地下から汲み上げた熱水を発電に使用したあと湖に流すことでつくられており、温泉とは思えない壮大なスケールと水色のお湯の美しさに圧倒されることは間違いありません。
冬に訪ねると、運がよければオーロラを眺めながら入浴することもできるとのこと。
レイキャビク市街からのアクセスも良好で、アイスランド観光の際はぜひ訪れたいスポットです。

コスタリカ:タバコン温泉

コスタリカのアレナル火山近くにあるタバコン温泉は、なんと川全体が温泉になっています。
温かい水が滝のようにしぶきを上げて流れる光景はまさに絶景。
コスタリカ旅行をするならぜひ訪れたいスポットです。
日帰りの入場券ならお手頃価格で楽しめるため、リーズナブルな旅行にしたい方にもおすすめです。

人生で一度は訪れたい海外の温泉地

日本の温泉とは雰囲気の違う海外の温泉地を紹介しました。日本では熱いお湯につかってリフレッシュするのが一般的ですが、海外ではぬるいお湯に水着などを着てのんびりつかったり、プールのように楽しんだりすることが多いです。
そのためとても開放的な温泉施設が多く、雄大な景色のなかで入浴できるのも特徴。日本の温泉とはひと味違う魅力を体感しに、ぜひ現地を訪ねてみたいものです。

2023-12-20

冬にぴったり! 保温効果の高い「塩化物泉」とは

体の芯から冷える、日本の冬。
気温が下がり本格的に寒くなると、温泉が恋しくなる方も多いのではないでしょうか。
温泉に含まれる成分によって効能は異なりますが、ここでは、寒い季節にぴったりの「塩化物泉」についてご紹介します。

冬におすすめ。ぽかぽかと温まる「塩化物泉」

日本に湧いている温泉にはいろいろな泉質がありますが、なかでも冬におすすめなのが「塩化物泉」です。
塩、という言葉が入っている通り塩分が豊富に含まれていて、日本ではよくみられる泉質のひとつです。温泉に塩分が多く含まれる理由は、日本が海に囲まれた島国であるから。
もちろん海から離れた場所にある塩化物泉もありますが、日本はもともと、海水の影響を受ける海沿いの温泉が多いのです。

なぜ塩分を多く含む温泉が体を温めることができるのかというと、塩分が毛穴を塞ぐから。
もともと汗は体温を下げる働きがありますが、塩化物泉に浸かると塩分が毛穴を塞いでしまいます。
毛穴が塞がれると汗が出にくくなるため、結果として体温が下がりづらくなり、寒い時期でも湯冷めを防ぐことができるのです。
自宅のお風呂でも、バスソルトなど塩分が含まれる入浴剤を用いることでこの保温効果を再現することができるでしょう。

こうした保温効果の高さから、塩化物泉は「熱の湯」とも呼ばれることも。
冷えた体をしっかり温めてくれるので、冷え性や関節性リウマチ、神経痛などの症状を和らげる効果が期待できます。
また飲むことが可能な塩化物泉の場合、胃腸の働きが活発になり、胃腸の調子を整えるほか、慢性的な便秘の改善も期待できるといわれています。

ただし塩化物泉は塩分が多いため、高血圧や心臓・腎臓にトラブルのある方、そのほか塩分の摂取に制限がある疾患をお持ちの方は避けるようにしましょう。

塩化物泉では長風呂はNG

塩化物泉は、基本的に入浴を避けるべき疾患等はありません。
極端に体調が悪かったり持病が悪化していたり、出血を伴うケガをしていたりするような場合を除き、妊婦の方や小さなお子さん、赤ちゃんまで誰でも入浴できます。

ただし、保温効果の高さには十分な注意が必要です。
体が温まりやすいので、長い間入浴していると体温が上がりすぎてしまうリスクがあります。
「せっかく温泉に来たのだから」と、のんびりと長風呂したくなるかもしれませんが、のぼせてしまわないよう早めに切り上げるようにしましょう。

また、アレルギーなどが原因で皮膚が敏感な方や肌が弱い方にとっては、刺激が強すぎる可能性もあります。
こうした方にとっても塩化物泉への長時間の入浴はリスクになりますので、長風呂はしないよう気をつけましょう。

ただし、塩化物泉は乾燥肌やアトピーの改善にも効果が期待できますので、無理のない範囲での入浴は、むしろ症状の軽減につながるかもしれません。

ハイシーズンを避けた冬の温泉地を楽しもう

海辺の温泉地は、海水浴など海でのアクティビティーを目的とした観光客が多く訪れるため、夏の方が混雑する傾向があります。
確かに夏の温泉地も楽しいものですが、保温効果の高い塩化物泉がおすすめの季節は、寒い冬でしょう。
海に近い場所ならではの海の幸は冬においしくなるものも多いですし、夏のハイシーズンほど観光客も多くないため、落ち着いた雰囲気のなかでのんびりと温泉やおいしい食事を楽しむことができます。

そこで今回は、塩化物泉のある温泉地のなかから「海に近い場所」であることを条件に、いくつかピックアップしてご紹介します。
夏とはまた雰囲気の違う、冬の温泉地を楽しみたい方はぜひ参考にしてください。

有馬温泉

兵庫県の有馬温泉は、関西エリアでは特に人気の温泉地のひとつ。
大阪から1時間ほどというアクセスの良さも魅力です。
雰囲気のある温泉街は比較的コンパクトですが、寒い季節には気軽に散策できて丁度よいかもしれません。
塩化物泉の多い日本でも珍しい海水よりもさらに塩分濃度の濃い温泉は、軽く浸かるだけで体が芯からぽかぽかに。
少し足を伸ばせば神戸なので、温泉地以外の観光も楽しめます。

和倉温泉

七尾湾に面している石川県・和倉温泉も著名な塩化物泉です。
和倉温泉は開湯1200年といわれる長い歴史を持つ温泉で、さらに海から湧き出る温泉という珍しい特徴があります。
もともとは地上から湧き出ていた温泉は、地殻変動の影響で一度枯れた後、海から湧き出ているのが発見されたのだそう。
ある日地元の漁師夫婦がぶくぶくと泡立つ海、そしてその海に傷ついた体を浸している白鷺を見つけ、そこに温泉が湧いていることがわかった……という伝説が残されています。
和倉温泉は豊富に塩分が含まれている泉質が特徴で、塩分による毛穴の引き締め効果も期待できるとのこと。

気仙沼温泉

三陸海岸に面する宮城県・気仙沼温泉は、海の成分に似た食塩を含んでいるそう。
塩分が豊富に含まれる泉質のため、浴槽に浸かると体がぷかぷかと軽く感じる「浮遊浴」が楽しめます。
心身のリラックスにも効果的なので、とにかく温泉旅行で癒されたい!と考えている方にもおすすめです。

塩化物泉で心も体もほっこりリラックス

塩化物泉は、温泉のなかでも特に保温効果が高く、体を芯から温めてくれる温泉です。
寒い季節の温泉旅行を考えている方は、ぜひ塩化物泉を楽しめる温泉地を探してみてくださいね!

2023-10-27

これからの季節にぴったり! 紅葉も楽しめる関東のおすすめ温泉地

秋の行楽シーズン、どこにお出掛けするか計画中の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
秋といえば、やはり王道は紅葉狩りです。ハイキングに行くのも楽しいですが、もっとリラックスできる旅をしたい方には紅葉も楽しめる温泉地への旅行がおすすめ。
今回は関東エリアにスポットを当て、紅葉と温泉をまるごと楽しめる温泉地をご紹介します。

長い歴史を持つ紅葉狩り

紅葉狩りは、秋に山野を訪ね、きれいに色づいた紅葉を鑑賞し楽しむ遊びを意味する言葉です。
紅葉狩りの発祥は、一説によると平安時代にまでさかのぼります。
身分の高い貴族は基本的に自由に出歩くことができなかったため、野山が美しい色合いに染まっていても近くで鑑賞し楽しむことができませんでした。
そこで考えられたのが、紅葉を見に行くことを「狩り」に見立てるというやり方です。

狩りは貴族という高貴な身分にもふさわしい遊びです。
狩りという名目であれば、自身で山野を訪ねることも不自然ではありません。
紅葉を鑑賞することを「紅葉狩り」と称するようになったのは、こうした事情が理由だとする説もあるのです。
紅葉狩りは長らく貴族階級が楽しむ風流な文化のひとつでしたが、江戸時代になると一般市民も秋のレクリエーションとして楽しむようになったといいます。
そして今に至るまで、秋の過ごしやすい気候も相まって、人気の行楽のひとつとして愛され続けています。

現代における紅葉の楽しみ方は多様化していて、自然のなかでハイキングやピクニックを楽しむほか、色づいた山々を遠目に眺められる景色のいい場所からのんびりと鑑賞するスタイルも人気です。

温泉も紅葉も楽しめる! 関東のおすすめ温泉地

袋田温泉(茨城県)

茨城県の袋田の滝は、日光三名瀑のなかのひとつです。
春夏秋冬、季節ごとに違う景色を見せてくれるのが魅力の滝で、木々が鮮やかに色づく紅葉の季節はとても華やかな景色で目を楽しませてくれます。
袋田温泉はこの袋田の滝からほど近い、歴史ある温泉地です。
幻想的で美しい景色を楽しんだ後は、温泉でのんびり羽を伸ばして帰りましょう。

伊香保温泉(群馬県)

映画「千と千尋の神隠し」に出てくる赤い橋のモデルになったともいわれている河鹿橋は、紅葉スポットとしても有名。
橋の上に覆いかぶさるように枝を伸ばすもみじが真っ赤に染まった光景はとても幻想的です。
昼間に見てももちろんきれいですが、夜間ライトアップされた情景は格別の美しさです。
この河鹿橋があるのが、伊香保温泉街です。
また、伊香保温泉街は雰囲気のある美しい温泉街として知られていて、河鹿橋以外にも『千と千尋の神隠し』を思わせるような街並みがあちこちに見られるのも魅力のひとつになっています。
紅葉だけでなく、まるで映画の世界のような街並みと温泉を楽しんでみましょう。

秩父温泉(埼玉県)

埼玉県の観光スポットである長瀞町は、美しい渓流と紅葉が特に有名です。
長瀞町にある「月の石もみじ公園」には、もみじのほかにも秋になるとさまざまな色合いに染まる木々が植えられていて、紅葉のシーズンは色とりどりの木々を眺めながらの散策が楽しめます。
長瀞川を下る「長瀞ライン下り」も人気のアクティビティのひとつ。
緑豊かな山々が映える春夏のライン下りも楽しいですが、紅葉シーズン、繊細な色合いのグラデーションに染まった景色を船上から眺めるのは格別です。
この長瀞町の近くにあるのが秩父温泉。
日帰りでの入浴ができる施設も充実しているので、ハイキングや長瀞ライン下りで汗を流した後はのんびり温泉につかって日帰りするショートトリップもおすすめです。

筑波山温泉(茨城県)

茨城県つくば市の筑波山温泉は豊かな自然に囲まれた環境でありながら、首都圏から車や電車で気軽に訪ねられる身近な温泉地として親しまれています。
日本百名山のひとつにも選ばれている筑波山は古くから信仰を集める歴史ある神社としても有名ですが、美しい紅葉の景色を見られる山としても人気です。
また、筑波山温泉の露天風呂には、色とりどりに染まる筑波山を眺めながら入浴できるところもあります。
紅葉の季節以外にも、春の桜のシーズン、初夏から夏にかけて青々と茂る新緑のシーズンと、四季折々の美しい景色を見ることができます。

水上温泉(群馬県)

長い歴史を持つ水上温泉郷では、利根川の流れがつくり出した美しい渓谷に沿って温泉旅館が立ち並んでいます。
水上温泉郷にもほど近い諏訪峡は、春は桜、秋は紅葉が楽しめる美しい渓谷として愛される名勝地のひとつ。
遠景として眺めてももちろん美しいですが、渓流沿いを1時間半ほどかけて散策できる遊歩道で自然豊かな環境を肌で体感するのもおすすめです。
あちこちを散策して疲れた体は水上温泉でのんびり癒せば、心地よい疲労感と美しい景色という非日常に心身ともにリフレッシュできることでしょう。

温泉と紅葉で心も体も癒される旅を

一時だけでも忙しない日常を離れ、美しい景色や温泉を楽しむことは、気分をリフレッシュさせてくれるだけでなく体の疲れも癒やしてくれます。
秋の行楽シーズン、旅行先に迷っている方はぜひ今回ご紹介した温泉地もチェックしてみてください。

2023-08-22

温泉旅行には夏がぴったりな理由とは

温泉は1年中楽しめるものですが、やはり体を温めることから冬の寒い時期にぴったりだというイメージは根強いです。
特に露天風呂などは、雪の積もった景色を眺めながら熱い温泉につかる、という印象を持っている方も多いのではないでしょうか?
ところが温泉のベストシーズンは冬ではなく夏だ、という意見もあるようです。
今回はなぜ温泉のベストシーズンが夏といわれるのか、その理由についてご紹介します。

夏は入浴事故の少ない季節

夏はそもそも、入浴事故のリスクが冬よりも低い季節です。
もともと気温が高い夏は、冬と比べて入浴時の温度差が少ないのはいうまでもありません。
温度差が少ないおかげで、血圧の急激な変化による入浴事故の可能性を減らせています。

入浴事故による死亡者数は1年におよそ2万人にも上るといわれており、特に冬の寒い時期に起こることが多くなっています。
なかでも高齢の方は入浴事故を起こすリスクが若い方よりも高くなるため、十分な注意が必要です。

しかし、温泉旅行は旅館でのんびりと過ごせるため、高齢の方にも人気です。
せっかくの温泉、安全に楽しみたいなら寒い冬よりも温度差の少ない夏に行くのがおすすめといえるでしょう。

夏の温泉がおすすめされる理由とは

温泉のベストシーズンが夏といわれる理由は他にもあります。
他にどのような理由があるのか、見ていきましょう。

内湯に湯気がこもらない

外気と浴室内との温度差が少ないため、内湯に湯気がこもらないのも夏の温泉の良さです。
また、温泉旅館のなかには素晴らしい内装の内湯が有名なところも多いです。
温泉地ならではの浴室建築の風情も重視して楽しみたい方には、内湯の内装や雰囲気もじっくり楽しめる夏の温泉がおすすめです。

ぬるい温泉も楽しめる

熱いお風呂が好きかぬるいお風呂が好きか……入浴時のお湯の温度の好みについては個人差があり、人それぞれに理想的な温度は違います。
また、寒い時期には温泉をより熱く感じるでしょう。冷えた手足がじんわりと温まっていくのを感じるのは心地いいものです。
ですが反対に暑い時期には、ぬるい温泉の良さを楽しむことができます。
温泉や銭湯では長い間、熱いお湯が定番でしたが近年では、ぬるいお風呂の良さが注目されています。
夏季限定でぬるい源泉を温めずにそのままかけ流しで利用できるようなところも増えてきており、夏ならではの温泉の楽しみ方として人気です。

夏は転地効果を実感しやすい

温泉地へ旅行することのメリットのひとつとして「転地効果」があります。
転地効果とは、日常の生活から一時離れ、いつも暮らしている場所とは違う土地で過ごすことでリフレッシュでき、心身に良い効果があるというものです。
季節に関係なく感じられるものではありますが、普段の環境と温泉地との違いを特に強く実感できる季節はやはり夏です。
特におすすめなのが、避暑地を兼ねている温泉地です。
標高の高い山がちな温泉地は夏でもさわやかで涼しい気候のところが多く、避暑にぴったり。
エアコンがなくても涼しいため、夜になってもむし暑くて眠れない毎日を過ごしている方にとっては天国のように感じられることでしょう。

夏ならではの自然を楽しめる

冬の雪景色を美しいと感じる方も多いですが、夏の青々とした山景色も同じくらい美しいものです。
夏の抜けるような青空のもと、緑も色濃くエネルギーに満ちた木々や渓流、青く広がる海など、夏の自然を眺めつつ温泉に入るのは格別の体験です。
冬とはまた一味違う、強い生命力を感じられる自然の光景を楽しむなら夏がぴったりです。

雪深い冬季には休業している温泉にも行ける

山奥にある、いわゆる「秘湯」と呼ばれるような場所の多くは、冬場には積もった雪に閉ざされて訪ねることが難しくなります。
冬季は休業している温泉も多いのです。
冬場には休業しているとなれば、その温泉を楽しめるのは雪のない夏季しかありません。
暑い季節にしか楽しめないレアな温泉を体験するには、夏の旅行がマストなのです。

薄着の夏は温泉に入りやすい

いわれてみれば至極当然のことなのですが、夏場は薄着で過ごすため、温泉に入るたびに服を脱いだり着たりするのが楽なのもメリットです。
普段の暮らしでは基本的に入浴は1日1回なので、あまり実感することはないかもしれません。
ですが温泉旅行へ来た時には、日に何度も繰り返し温泉に入るという方も多いでしょう。
何度も繰り返すとなると、重ね着している衣類をいちいち脱いで、お風呂上がりにはまた着込んで……という作業が途端に面倒に感じられます。
夏場の温泉では普段着が薄着なのはもちろん、施設内では浴衣をさらりと羽織るだけで過ごせるので、お風呂上がりの着衣もとても楽。

近年は多くの種類が異なる浴室が完備されており、施設内で浴室を巡るだけで湯巡りを楽しめるところも増えています。
こうした温泉を気楽に楽しむなら、やはり夏がおすすめです。

避暑も兼ねた温泉旅行を楽しもう

避暑も兼ねた温泉旅行を楽しもう
冷えた体を温めるイメージから、温泉旅行といえば冬に行くものという印象も強いですが、実際には夏の温泉にもいいところがたくさんあります。
最近ますます暑くなっている日本の夏を、避暑も兼ねた温泉旅行で乗り切っていきましょう!

2023-07-21

温泉でだけ起きる「湯あたり」の原因とは

温泉に入った際に起こることのある「湯あたり」は、普通のお風呂に入浴しているときには起こらない症状です。
湯あたりがなぜ温泉に入っているときにだけ起こるのか、その原因や症状についてご紹介します。

湯あたりとは

湯あたりは、温泉に何度も繰り返し入ったり、長い時間入り続けたりすると起こることのある症状を指します。

具体的な症状としては、頭痛やめまい、吐き気、からだのだるさや倦怠感、食欲の不振などの体調不良があります。
その他腹痛や頭痛、寒気など、風邪にも似た症状があらわれることもあります。
この湯あたりの症状は、温泉につかった直後ではなく、数日後などしばらく時間が経ってからあらわれます。
入浴後2日から3日、遅いときには1週間後に症状が起こります。

お風呂に入って体温が上がり、血管が拡張し血行がよくなったことでのぼせたときの症状と似ている部分もありますが、のぼせの症状は入浴後すぐに起こるという点で違いがあります。
また温泉につかることで体力を消耗し、疲れてしまったときとも症状が似ています。
普段からお風呂にしっかりつかる習慣がないと温泉に繰り返し入ったり長い時間入浴したりすることで疲れてしまい体調が悪くなることがありますが、こういった「湯疲れ」と呼ばれる症状も入浴後すぐに起こります。

湯あたりが起きる原因は温泉成分

温泉で湯あたりが起きる原因は、温泉に含まれる成分にあります。
温泉にはさまざまな成分が含まれていますが、入浴した温泉に体質に合わない成分が含まれていることもあります。
また、好転反応のひとつであるケースもあります。
「温泉は健康にいい」といわれる通り、温泉成分のなかには健康にいい影響を与えるものも多くあります。
それらがからだにいい作用を与えているものの、その過程で体調不良が起きてしまうこともあるのです。

また、温泉が高温であることも体調不良の原因となります。
お湯の温度は温泉によってまちまちですが、自宅で入浴するときよりも熱い温度になることも多いです。
入浴に適しているお湯の温度は38度から40度くらいといわれていますが、入浴するお湯の温度が42度を超えていると循環器系などの臓器に大きな負担がかかります。
熱い温泉を好む人も多いですが、実はからだに大きな負荷をかけてしまっているのです。
温泉では何度もお湯につかることもあるため、その分からだへのダメージも大きくなり、後々の体調不良につながってゆきます。

食後の入浴も、からだへの負荷を高める原因のひとつです。
食事をした後は食べたものを消化・吸収するために胃腸が活発にはたらいています。
そのため体内の血液も胃腸に集中しているのですが、食後に熱いお風呂に入浴してしまうと全身の血行がよくなり、体内でエネルギーが分散してしまいます。
結果として消化・吸収が妨げられ、胃腸への負担が増えてしまうのです。
温泉地の旅館では豪華な食事をいただく機会も多いですが、その後にまた温泉に入ると湯あたりの原因になる可能性があります。

湯あたりの予防と対策

湯あたりを防ぐためには、温泉に長くつからないこと、繰り返しつかるのは避けることが有効です。
温泉地に長く滞在する場合、特に最初の頃はからだが温泉に慣れていないこともありますので、初日からの長風呂は避けましょう。
滞在中は毎日温泉につかる贅沢な暮らしを楽しみたくなりますが、3日から4日に一度ほどの頻度で温泉につからない休息日をつくることでさらにからだへの負担を軽減できます。
からだを温泉に慣らしつつ、ゆっくりと入浴時間や頻度を増やしていきましょう。

入浴前の水分補給も重要です。
水分をしっかり摂ってから入浴することで、体温調節がしやすくなり、体調不良の防止につながります。
また入浴前にかけ湯をして、温泉の温度にからだを慣らしておくのも効果的です。
入浴することで体温が上がりすぎると体調不良につながるので、暑くなってきたら無理せず温泉から出ること、ちゃんと休憩を挟むことを意識しましょう。

湯あたりが起こってしまった場合には、休息をとることが重要です。
たとえ好転反応から起きた湯あたりであっても、無理にいつも通り行動したり何度も温泉に入っていたりすると体調不良は回復せずどんどん長引いてしまいます。
湯あたり自体は一過性の症状ですぐに回復することがほとんどですが、体調がすぐれない間は安静にして横になり、しっかりからだを休めましょう。
水分補給も大切です。
湯あたりによる体調不良は温泉成分によって体調を崩している状態なので、体内の循環をよくすることでより早い回復が見込めます。
湯あたりを起こした際には、いつも以上に水分をこまめに摂るよう意識しましょう。

湯あたりの症状はあくまで一時的なものであり、長く続くような体調不良ではありません。
症状自体は湯あたりに似ていても、何日も体調が悪い日が続くようであれば病院で医師の診察を受けましょう。

湯あたりに気をつけて温泉を楽しもう

湯あたりに気をつけて温泉を楽しもう
温泉は、正しくつかれば健康にいいさまざまな効果を得られるものです。
湯あたりも健康効果と同じく温泉の有効成分が原因となって起こるものではありますが、事前にしっかり予防しておくことで対処できます。
湯あたりやのぼせに十分気をつけて、温泉を心ゆくまで楽しみましょう。

2023-06-22

心身にも地球環境にも優しい! 温泉地でのテレワーク

新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、「テレワーク」という働き方が広く普及しました。
自宅からリモートで仕事をするだけでなく、リゾートや温泉地などの旅行先で仕事もこなすような、場所や時間に縛られない新しいスタイルの働き方も注目されています。
なかでも温泉地でのテレワークは、ストレスを軽減・解消し心身に良い影響が期待できます。
そこで今回は、温泉でテレワークすることの様々なメリットをみていきましょう。

働きながら心身を癒せる、温泉地でのテレワーク

オフィスでのデスクワークが主な業務だった方のなかには、オフィスへの出勤頻度が減り、自宅からリモートで仕事をする日が増えたという方も多いのではないでしょうか。

出勤・退勤のコストがなくなり便利になる点も多いテレワークですが、一方でずっと自宅にこもっていることによるストレスを感じる人も少なくありません。
そこでストレスの解消も兼ねて注目されたのが、自宅以外の場所で働くスタイルです。
カフェやシェアオフィスなど気軽に訪ねられる場所だけでなく、リゾート地や温泉など、本来観光地である場所でもテレワーク向けのプランを用意するなど、積極的にテレワーク需要に応える動きがあります。

なかでも、温泉地でのテレワークは心身に良い影響があるとして人気を集めています。
日本では古くから温泉の健康効果が広く知られていて、湯治など療養にも使われてきました。
温泉に浸かることでも色々と健康に良い効果を得ることができますが、転地効果といって日常を離れ温泉地で過ごすことそのものにストレスや精神的な疲労を軽減する作用があります。

自宅にこもって仕事をしているとどうしても刺激の少ない毎日を過ごすことになり気分も落ち込みがちですが、自然豊かな観光地である温泉へ滞在するだけで気分転換になり体調へも良い影響が期待でき、仕事へのモチベーションも上がって作業効率アップが見込めるのです。

地熱エネルギーの利用で地球環境にもプラスの効果

日頃ストレスを抱えながら働く人の心身をリフレッシュさせてくれる温泉地でのテレワークですが、実は自然環境へも良い効果が期待できることがわかっています。

現在、地球温暖化については世界中で大きな問題となっています。
特に先進国ではCO2排出量の削減が大切な課題となっており、日本でも2030年までには現在の排出量から46%削減、そして2050年までにはゼロを目指し「脱炭素社会」を目標に掲げています。

そこで注目されたのが、地熱エネルギーを熱源として利用できる温泉地での暮らしです。
温泉地では温かいお湯が湧いているので、お風呂に入る際にガスでお湯を沸かす必要がなく、また暖房についても地熱を利用することができ、熱源のためのエネルギー消費がかなり抑えられます。
つまり、エネルギー使用に伴うCO2の排出量をその分減らすことができるというわけです。

東北大学などの研究グループによると、自宅からオフィスに通勤するなど従来通りの働き方をする人と比べ、温泉地でテレワークを行っていた人は年間のCO2排出量を最大でおよそ74%も削減できるとのことです。
74%という数字は、入浴には温泉を使い暖房には温泉熱暖房を用いる、温泉地の地熱を最大限に活用した際のものですが、毎日のお風呂を温泉で済ませるだけでも年間でおよそ63%のCO2排出量削減につながるという結果が出ています。
温泉地で普通に暮らし、働くだけで、自然環境にもより優しい生活ができるのです。

温泉の多さからもわかる通り、日本は地熱資源が豊富な国です。
ですがその豊富な地熱資源は地方にあることが多く、人口の多い都心部の暮らしに地熱エネルギーを活用するのが難しいという問題がありました。
しかし、都心部に暮らす人が温泉地を訪ねて長期滞在しテレワークする…というワークスタイルが浸透すれば、その分石油・石炭などの化石燃料の消費を抑えられ、CO2の排出量も自然と削減できます。
気分転換のために温泉地に滞在して仕事をすることで環境にも優しい暮らしが実現できるので、何かを我慢する必要もなく、持続しやすい温暖化対策であるのも大きなポイントといえます。

地方の過疎化を食い止められる可能性も

地方の過疎化を食い止められる可能性も
現在の日本では、都市部への人口集中、そして地方の過疎化が深刻な社会問題のひとつとなっています。
進学や就職をきっかけに地元を離れ都市部へ移り住んできたという方も多いでしょう。

温泉地でのテレワークが普及すれば、地方の過疎化や人口の流出を食い止め、地域の観光や産業を活性化することにもつながっていく可能性も指摘されています。
心身を癒して仕事のモチベーションを取り戻すために提案された新しい働き方が、実は自然環境にも優しく、地方を盛り上げる一助にもなり得るのです。

仕事に追われ刺激の少ない日々を過ごすストレスを感じている方、普段からリモート勤務の日が多く、日頃自宅やカフェなどで作業しているという方は、ぜひ温泉地に長期滞在してのテレワークも体験してみてください。

2023-05-29

自分の体調を整えてくれる温泉の選び方

昔から健康に良いとされ、広く愛されてきた温泉。「湯治」という言葉もある通り、ケガや病気に悩む方の治療の一環としても利用されてきました。
温泉は基本的に健康に良いものであるのは間違いありませんが、特にどのような体調不良に効果が期待できるのか、という点は温泉によって異なります。
今回は、自身の体調にぴったりの温泉を選ぶポイントについてご紹介します。体調を整えたいという目的で温泉へ行きたいと考えている方はぜひ参考にしてください。

どの温泉にも共通する効能・温泉ごとに異なる効能

温泉は健康に良いものだという認識は、世界的に共通しているものでしょう。
では具体的に、温泉のどんな点が健康に良いのでしょうか。

温泉には、大きく分けると以下の3種類の効能が期待できます。

物理効果

温かいお湯につかることによって得られる様々な効能を「物理効果」と呼びます。
体が温まり血行が良くなることで得られる「温熱効果」、水中にいることで体にかかる静水圧によって体液の循環が活発になる「水圧効果」、水中で体を軽く感じることによって得られるリラックス感や水の抵抗に逆らうことで自然と筋力が鍛えられる「浮力効果」、この3つがまとめて物理効果と呼ばれています。

転地(心理)効果

温泉につかるということは、自然豊かな温泉地に一定期間滞在するということです。
日常から離れて温泉地に滞在するという非日常を体験することで自律神経が刺激され、ストレス解消や精神的な疲労の軽減効果が期待できます。
また澄んだ空気や豊かな自然に囲まれた優れた環境に身を置くことで、精神面だけではなく身体面にも良い変化があらわれることもあります。
こうした効能を「転地効果」もしくは「心理効果」と呼びます。

化学(薬理)効果

温泉には様々な成分が溶け込んでいます。
温泉につかり、含まれる有効成分を皮膚から吸収することで得られるのが「化学効果」「薬理効果」と呼ばれる効能です。
含有成分によって変わる温泉水の特徴を泉質といいますが、どんな泉質であるかは温泉ごとに異なります。
当然つかることによって得られる健康面への効能も、泉質ごとに異なります。

物理効果と転地効果、化学効果のうち、どの温泉でも共通して得られるのは物理効果です。
これは単純に温かなお湯につかることで期待できる効能なので、温泉ではなく自宅のお風呂に入るだけでもOKです。
転地効果については、自分の好みの環境、体調に合っている環境を選ぶことでより高い効果を期待できるでしょう。
ですが「日常生活から離れる」ことが大切なので、どの温泉地でも一定の効果は得られるはずです。

温泉ごとに大きく効能・効果が変わるのは化学効果についてです。
化学効果については、泉質によってどんな体調不良やケガに効果的なのか、明確に差異があります。

一般適応症と泉質別適応症

上記でご紹介した温泉の効能のうち、物理効果・転地効果については、どの温泉地でも一定の効果を期待できます。
ですが残る化学効果に関しては、自身の体調や目的に合致している温泉を選ぶ必要があります。

温泉への入浴が効果的だとされる様々な症状は、「一般適応症」と「泉質別適応症」の2種類に大別されます。

一般適応症はどの温泉でも同じ効果が得られるもの、つまり物理効果での改善が見込めるものを指します。
泉質別適応症はそれとは反対に、泉質によって効能が期待できるかどうかが異なるものを指します。

今回は、症状別に適している泉質をまとめてご紹介します。
自分の抱えている健康上の悩みに合致するものがあれば、ぜひ該当する泉質の温泉を訪ねてみてください。

筋肉痛、神経や関節の慢性的な痛みやこわばり、うちみやくじき、五十肩、慢性的な消化器の不調、自律神経のトラブル、ストレスによる体調不良、疲労、健康増進

上記のような症状は、先ほど紹介した一般適応症に該当します。
つまりどの温泉でも一定の効果が期待できますので、泉質はさほど気にしなくても大丈夫です。

冷え性、肩こり、腰痛など

塩化物泉や炭酸水素塩泉、硫酸塩泉、二酸化炭素泉など、保温効果や循環効果が高い泉質がおすすめです。

肌荒れやアトピー、皮膚炎、にきびなどお肌のトラブル

殺菌効果の高い、酸性泉や硫黄泉がおすすめです。

美肌効果

肌の皮脂を溶かし、不要な角質を整える効果が期待できるのはアルカリ性の温泉です。
炭酸水素塩泉、塩化物泉、二酸化炭素泉などがおすすめです。

自律神経を整える

どんな温泉でも一定の効果は期待できますが、塩化物泉や二酸化炭素泉など保温効果が高い泉質が特におすすめです。
また、お湯の温度によっても得られる効果が異なります。
42度以上の高温泉では体が温まることによって交感神経が、40度以下の温めのお湯では副交感神経が優位になります。
活力を取り戻し元気になりたい場合は交感神経を刺激するため高温泉を選びましょう。
逆にのんびりとリラックスして心身を癒すのが目的の場合、副交感神経を刺激するため温めのお湯の温泉がおすすめです。

温泉でのんびり体調を整えよう!

温泉でのんびり体調を整えよう
忙しない日常を離れ、温泉地でのんびりと過ごす時間は、心身にとてもいい影響を与えてくれます。
自分の体調にもっとも適した温泉を選べば、その効果はさらに倍増するはず。
ぜひ今の自分に必要な効能に合致している温泉を訪ねて、心も体もリフレッシュしてください。

2022-06-10

お風呂に使うだけじゃない! 温泉のいろいろな活用法

火山の多い日本は、同時に温泉がたくさんある国でもあります。
日本の文化や暮らしは温泉と深く結びついており、全国に点在している数々の温泉地は訪れる人々を癒やし、楽しませています。
誰にとっても親しみ深い温泉ですが、入浴する以外の幅広い用途にも使われていることについては、ご存知ない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、さまざまな温泉の活用法についてご紹介します。

温泉のお湯を飲む「飲泉」

入浴以外では比較的ポピュラーな温泉の活用法として、「飲む」というものがあります。
温泉を飲むことは「飲泉」と呼ばれます。
飲泉は日本よりもむしろヨーロッパ諸国の温泉地で盛んに行われています。
ヨーロッパでは温泉と医療とが日本よりもさらに密接に結びついていたことから、飲泉による体への良い影響も早くから知られていました。
また、入浴には適さない冷たい温泉も多いこと、シャワー文化であることも飲泉が盛んである理由のひとつではないかと考えられています。

温泉に入ると健康に良いということは広く知られていますが、温泉のお湯を飲むことによって入浴したときと同じように全身に作用する効果を得られるほか、胃腸や肝臓といった臓器などに局所的に影響することもあることが研究によってわかっています。
特に消化器官への作用が期待できるとのことです。
たとえば温度の高い温かい温泉を飲むと、胃の緊張がほぐれて胃酸過多に効果が期待できます。
逆に冷たい温泉は胃のはたらきを良くし、胃酸の減少や便秘などに効果的です。

ただ温泉にはさまざまな種類があり、飲む人の体調や持病によっては飲むとかえって健康に悪いケースもあります。
どんな温泉でも飲めば健康に良いというわけでは決してなく、泉質や含まれる成分などを考慮して、自分にとって適切な温泉を選ぶのが大切です。
そして衛生的な意味でも、湧いたばかりの新鮮な温泉を飲むようにしましょう。
また、適量を守るのも大事です。
飲泉は水のようにたくさん飲めばいいというものではありません。
1回100mlから150ml程度、1日に飲む量は200mlから500mlほどが適量とされています。

適切な種類の温泉を適量飲むことで、体調を整えることにつながります。

温泉のしぶきや蒸気を吸う「温泉吸入」

全国的に見てもあまり数は多くありませんが、温泉から発生しているしぶきや蒸気などを吸入する設備が整っている温泉地もあります。
「温泉吸入」は、主に呼吸器の疾患に効果が期待できます。
鼻や喉などが刺激されることで粘液が分泌され、鼻・喉の自然な洗浄を促す他、喘息、慢性気管支炎、鼻炎、咽頭炎といった呼吸器疾患に効果的なのだそうです。
温泉の効果的な成分を直接患部へ届けるという意味では、飲泉と同じような活用法ですね。

温泉成分の含まれた泥を使う「泥湯」

「泥パック」がお肌に良いと聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
温泉地でも、温泉の成分を含んだ天然の泥を活用することがあります。
普通の温泉と同じように泥を使って入浴するほか、湿布のように痛む箇所などに塗りつけるのも効果的とされています。
泥湯の作用としては、新陳代謝の向上や血圧の低下、神経痛や関節痛・筋肉痛といった痛みにも効果が期待できます。

あたたかい温泉のさまざまな活用法

ここまでは温泉を飲んだり泥を活用したり蒸気を吸入したりと、温泉での療養の方法についてご紹介してきました。
ですが温泉には、さらにいろいろな活用方法があります。

園芸や農業

温泉の蒸気を使ったり熱を活用したりすることで、花や野菜、くだものなどのハウス栽培を行っている温泉地も多いです。
花としてはシクラメンや洋ランなど、野菜はパプリカやミツバ、トマトなど、果物はイチゴやメロンなどが、温泉熱を使って育てられている例があります。
温かい温泉を使ったハウス栽培が可能であることで、本来の旬とはずれた寒い時期にも問題なく野菜や果物、花などを育てて出荷することができるのです。
さらに、温泉熱を利用して栽培された地場産品から地元の特産品となる食品を開発するなど、温泉地産業のさらなる発展にも寄与しているといえます。

魚などの養殖

温泉ならではの温かい水は、エビや鯉など、温かい水温を好む生き物の養殖にも使われています。

地獄蒸し

熱い噴気を利用して、さまざまな食材を蒸したりごはんを炊いたりすることも。
一瞬で蒸し上がるために食材の旨味が逃げずおいしく仕上がるのだそうです。

融雪

使った後の温泉は、冬季には道路などの融雪作業にも使われます。
ハウス栽培でも、使用後の温泉水はそのままハウスの外へ流され、周囲の融雪に活用されるのだとか。
環境に優しいという意味でも大切な活用法です。

温泉暖房

温泉の熱を利用した暖房機も開発されています。環境に優しいだけでなく、部屋全体を効率的に暖められると評判です。
温泉熱を活用した床暖房は、肌にも優しい自然な暖かさといわれます。

まとめ

まとめ
温泉の活用法は、実に多岐にわたります。療養に利用するだけでも、普通に入浴するほかに飲泉や泥湯、温泉吸入など、さまざまな方法で活かされてきました。
そのほかにも、温泉の熱が温泉地全体の観光や産業を支える礎となっていることがよくわかります。
これまで温泉には普通に入るだけで満足していたという方も、これからはもっとさまざまな方法で温泉を楽しんでみてくださいね。

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