知る・学ぶ

2020-08-31
2020-08-31

日本とはどう違う? ヨーロッパなど海外のお風呂の歴史や文化

体を清潔に保つためには欠かせない入浴。気分をリフレッシュできるのはもちろん、健康にも良い効果が期待できるお風呂は世界中で習慣化されています。しかし、そのスタイルは国や地域によって様々であり、たどってきた歴史も多種多様です。
そこで今回は、海外(主にヨーロッパ)のお風呂の歴史や文化、日本との違いについてご紹介します。

古代人も愛した入浴文化 紀元前2000年頃には温水施設も!

「浴室」が初めて人類の歴史に登場するのは、なんと紀元前4000年頃です。川や池、湖などでの水浴びの習慣はそれよりも前からありましたが、沐浴用のスペースである浴室についての記録があるのがこの頃です。

それから長い月日が流れ、紀元前2000年頃からは温水を使える浴室が作られるようになりました。
その代表例がギリシャ・クレタ島のクノッソス宮殿です。ここには紀元前1500年頃のものといわれる世界最古の浴槽跡があることで有名ですが、すでに温水施設や水洗トイレのシステムがあったことがわかっています。当時の文明における水道技術がいかに高度だったかがわかりますね。

また、古代ギリシャではギムナシウムという教育施設に一般人も利用できる公衆浴場が設けられるなど、ギリシャ時代の入浴文化は次の古代ローマへも受け継がれていきました。
その中で、お風呂の持つ意味合いは段々と多様化していきます。
もともとは清潔さを保つために入浴していましたが、次第に浴場が人々の社交場としての機能を持ち始め、「娯楽」としての側面が大きくなってきたのです。

こうした変化はより一層入浴文化が広まるきっかけになった一方で、「お風呂は良くないもの」というマイナスのイメージができてしまう一因にもなってしまいました。

混浴に批判殺到! お風呂文化衰退の原因に

古代ローマの大浴場は男女混浴が基本でした。そのため、体を清潔にするために利用されるはずのお風呂が男女の出会いの場にもなってしまったのです。

それからは混浴だったお風呂が男湯・女湯に分けられるという変化があったものの、キリスト教の広がりとともに多くの人々の間で「裸で集まるローマ式の大浴場は良くない」、「キリスト教的価値観にそぐわない退廃的なものだ」というイメージが定着していきました。

このようにして紀元前から続いた入浴の習慣はついに廃れてしまい、ヨーロッパでは頻繁にお風呂に入らないことが新しい常識になっていったとされています。

日本の「お風呂好き文化」が続いている理由とは?

日本の「お風呂好き文化」が続いている理由とは?
ヨーロッパではその後、入浴文化や大衆向け浴場が何度か復活することはありましたが、キリスト教からの弾圧を受けたり、お湯の交換しないために病気が流行する原因になってしまったりと、以前のような日常的な入浴習慣は長らく定着しないままでした。

そして時代は流れ、ヨーロッパでもう一度本格的な入浴文化が復活するのは産業革命の時代です。
医学の進歩と「衛生」という概念が生まれることで、それまで健康に悪いと考えられていた入浴がむしろ「体に良いこと」と理解されるようになったのです。
それ以降は次第に一般市民の間にもお風呂が普及していき、多くの人がバスタブを使ってお風呂に入るようになりました。

一方、日本では6世紀頃に中国から入浴文化が伝わって以来、お風呂が「良くないもの」とされたことはありません。銭湯が一大ムーブメントとなり、広く一般庶民に普及したのは江戸時代のことですが、それまでにも町湯と呼ばれる銭湯や温泉の文化がありました。
「風紀を乱す上に病気の温床となる」との理由で一度はお風呂が忌避された歴史を持つヨーロッパと比べ、このような道をたどらなかった日本では昔からお風呂好きが多く、頻繁に入浴する習慣が続いているのも納得ですね。

お風呂の歴史は入浴スタイルにも大きく影響

お風呂の歴史は、実は入浴スタイルにも大きな影響を及ぼしています。
たとえば日本と違い、ヨーロッパやアメリカをはじめとする欧米ではゆっくりお湯に浸かるのではなく、シャワーを浴びるスタイルが一般的です。なぜなら欧米では衛生上の観点から「体を清潔にする」という目的で入浴習慣が広まったため、効率的に体を洗えるシャワーの方が便利なのです。

ところが、日本では体を清潔に保つだけではなく、お湯に浸かってリラックスすることも入浴の大きな目的になっています。そのためシャワーだけでは物足りず、時間が許せば毎日浴槽にお湯を張る方も少なくありません。住居探しの際の条件に「浴槽があること」を挙げている方も多く、お風呂を楽しむ文化が暮らしに根付いていることがわかります。

まとめ

海外のお風呂の歴史や日本との違いについてご紹介しました。
長い歴史の中でお風呂に対する考え方や意識は様々に変化し、国や地域それぞれの入浴文化・習慣に大きな影響を与えています。
旅行や出張で遠方に出かける際は現地の入浴文化・習慣を調べてみると、今まで知らなかった興味深い発見ができるかもしれません。機会がある方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

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2024-03-28

健康で美しい髪を守る! 正しいシャンプー方法とヘアケアについて

毎日のように行うシャンプーですが、やり方一つで髪の健康状態が大きく変わってきます。
そこで今回は、正しいシャンプーの手順やヘアケア、ドライ方法についてご紹介します。

正しいシャンプー方法の基礎知識

まずはぬるま湯で髪全体をしっかりと濡らしましょう。
髪を濡らすことによって、シャンプーの泡立ちが良くなり、髪と頭皮の汚れを効率よく落とせます。
この時、頭皮までしっかり水が行き渡るようにするのがポイントです。
シャンプーの量は髪の長さや量にもよりますが、500円玉大が目安で直接髪につけるのではなく、手のひらでしっかり泡立てましょう。
泡立ててから洗うと、摩擦による髪や頭皮へのダメージを防げます。

泡立てたシャンプーを髪全体に広げ、指の腹を使って頭皮をマッサージするように洗いましょう。
この時に爪を立ててしまうと頭皮を傷つける恐れがあるので、注意して下さい。
また、シャンプー剤が残ってしまうと頭皮トラブルの原因になる可能性があるため、最後はしっかりとすすぐことが重要です。
特に後頭部や髪の根元など、見落としがちな部分も忘れずにチェックしましょう。

シャンプーは、頭皮に優しい成分を含むもの、または自身の頭皮の悩みに特化したものを選ぶのが大切です。
例えば、敏感肌の場合は刺激を抑えた成分、薄毛に悩んでいる場合は育毛促進や頭皮環境を整える成分を含んだものが適しています。

シャンプーとその他ヘアケア製品の使い方

髪の美しさと健康を守るためには、シャンプーの他にコンディショナー、トリートメント、ヘアオイルなど、ヘアケア製品の正しい使い方も知っておきましょう。
それぞれの製品が持つ役割を理解し、自身の髪質や髪の状態に合わせて選んで使い分けると、髪を内側から外側までしっかりとケアできます。

シャンプーの使い方

シャンプーの基本的な使い方は既に触れましたが、ポイントは髪と頭皮の汚れを優しく洗い流すことです。
髪を濡らした後、適量のシャンプーを手に取り、泡立ててから髪全体になじませ、頭皮をマッサージするように洗います。
そして、シャンプーが残らないようにしっかりと洗い流しましょう。

コンディショナーの使い方

シャンプー後のコンディショナーは、髪に必要な保湿をし、ダメージを受けた髪の表面を滑らかに整えます。
シャンプーで髪の汚れを落とした後、水気を軽く切り、髪の中間から毛先にかけて適量を塗布して下さい。
数分放置した後、冷水でしっかりすすぐと、髪のキューティクルが引き締まりツヤが出ます。

トリートメントの使い方

トリートメントは髪の深い部分まで浸透してダメージを修復する効果があるため、週に1~2回の使用がおすすめです。
シャンプー、コンディショナーの後に髪全体になじませて5~10分程度放置し、その後しっかりと洗い流します。
特にダメージが気になる場合は、より長く放置すると効果的です。

ヘアオイルの使い方

ヘアオイルには髪に潤いを与え、より艶やかに保つ効果があります。
ドライヤーで髪を乾かす前や、乾いた髪に軽くなじませると髪を保護でき、まとまりやすくします。
使用量は髪の長さや質によりますが、少量から始め、必要に応じて加減しましょう。

シャンプー後の効果的な髪の乾かし方は?

シャンプー後のドライも髪の健康を左右する大事なステップです。
正しい乾かし方をマスターすることで髪のダメージを減らし、ツヤツヤで健康的な髪を保てます。

シャンプー後は、まずタオルドライから始めましょう。
濡れている髪はダメージを受けやすい状態にあるため、そっとタオルで包み込み、優しく水分を吸収させて下さい。タオルで髪を挟んで、軽くプレスするようなイメージですね。

そしてタオルドライのあとはドライヤーで乾燥させますが、髪から約15cm離して使用し、熱風は根元から毛先に向かって髪の流れに沿って吹き付けるのがコツです。
熱が直接頭皮に当たらないように注意し、温風を使ってじっくりと髪を乾かして下さい。
ドライヤーの温度は低温~中温から始め、最後に冷風で仕上げましょう。冷風で仕上げると、髪のキューティクルが閉じ、艶やかでしっとりとした仕上がりになるのです。

また乾燥した髪には保湿効果のあるヘアオイルやヘアミルクを軽くなじませると、髪を保護して乾燥から守れます。
特に毛先はダメージを受けやすいのでしっかりとケアしましょう。

頭皮マッサージやブラッシングの効果

頭皮マッサージは血行を促進することで知られており、血行が良くなると毛根に必要な酸素や栄養が届きやすくなり、髪の成長を助けます。
またリラックス効果もあり、薄毛の大きな原因の一つであるストレス解消にもなるでしょう。
シャンプー時や就寝前などのくつろげる時間に行うのが良く、指の腹を使って優しくマッサージし、頭皮全体をくまなく刺激します。

ブラッシングは髪の表面についたほこりや汚れを取り除くだけでなく、髪に自然なツヤを与え、さらさらとした質感を保つために必要です。
ただし、濡れた髪は非常にデリケートなので、乾いた状態で優しくブラッシングするのがベストです。
髪をとかす前に絡まりを手で軽く解きほぐし、髪の毛先から徐々に根元に向かってブラッシングすると良いでしょう。

正しい洗い方とケアで美しい髪を守ろう!

このように、髪と頭皮のケアにはいくつかの重要なステップとコツがあります。日々のケアを見直し、これらのポイントを意識すると髪はより健康で美しくなるでしょう。
毎日のルーティンを少し変えるだけで大きな変化をもたらすことに気付くはずです!

2024-03-22

人生で一度は行ってみたい! 世界の秘湯・名湯

日本のみならず、世界中で愛されている温泉。
海外の温泉は日本の温泉とは雰囲気や趣が異なり、また違う楽しみ方ができることから観光客にも人気のスポットとなっています。
そこで今回は、人生で一度は行ってみたい海外の秘湯・名湯をご紹介します。

アジアの温泉

温泉というと日本のイメージが強いですが、アジアのほかの国々にも著名な温泉地があります。

台湾:北投温泉

台北市内からのアクセスも良好で気軽に訪ねられる温泉地・北投温泉。
温泉はもちろん、北投温泉博物館や美しい木造建築である北投図書館など、温泉街全体にさまざまな観光スポットがあります。
温泉で体の疲れを癒したら、街をのんびり観光して周るのも楽しそうです。

タイ:ロック・バレー温泉

タイのなかでも風光明媚で自然が豊かなエリアとして知られる、カンチャナブリーにあるロック・バレー温泉では、なんと15種類もの温泉を楽しめます。
温泉スパ施設内には緑も多く、まさに南国のリゾートらしい雰囲気。
日本の温泉旅館とは一風異なる温泉体験を楽しむことができるでしょう。
ロック・バレー温泉は、ドクターフィッシュがいる浴槽に入る「フィッシュ・スパ」を楽しめることでも知られています。旅行に未知の体験を求める方にもおすすめの温泉です。

中国:清池温泉

周の時代から知られているという長い歴史を持つ華清池温泉は、西安の郊外、驪山の麓にある庭園にあります。
かの有名な楊貴妃と玄宗皇帝が入浴した記録もあるという著名な温泉で、現在も楊貴妃が使用したという海棠湯の浴槽が復元されているとのこと。
ほかにもたくさんの浴場があり、いろいろな入浴体験が可能です。
西安駅前からバスで45分ほどとアクセスもさほど悪くありません。中国の長い歴史を偲びながら温泉に入る稀有な体験を気軽に楽しめます。

ヨーロッパの温泉

ヨーロッパにもたくさんの温泉があります。
特にチェコやハンガリーは温泉やスパが有名なことでも知られていて、観光客にも人気です。

イタリア:ムリーノの滝

火山の多いイタリアは、日本と同じくたくさんの温泉がある国。なかでもトスカーナ地方は温泉が多いことで知られています。
たくさんの温泉があるなかでも一番の景観で知られているのが、サトゥルニアにある「ムリーノの滝」です。
滝という名の通り、この温泉は渓流を流れてきたもの。
川として流れてきた温かい水が滝になり、滝壺は天然のぬるいプールとなっているのです。
入場料等はなく、1年中自由に出入りできるのも高い人気の理由。
世界中から観光客が訪れ、豊富なお湯が流れ落ちる滝とトスカーナの美しい丘陵という絶景を楽しんでいます。
お湯の温度は37度と少しぬるめなので、春から夏の暖かい季節に訪ねるのがおすすめです。

ハンガリー:ゲッレールト温泉

ヨーロッパでも最大の温泉大国といわれるハンガリー。首都であるブダペストにもたくさんの温泉施設があります。
ゲッレールト温泉は、ブダペストでももっとも美しい温泉といわれているそう。
アール・ヌーヴォー様式の洗練された建築が一際目をひきます。
鮮やかな水色が美しいプールの左右にある4つの温泉は、日本の温泉と比べると水温はぬるめ。
その分長くつかっていてものぼせにくく、のんびりとリラックスして楽しむことができます。
また屋外にもジャグジー付きのサーマルプールやサウナ、スパ設備があるのもゲッレールト温泉の特徴。
夏に行っても楽しめる、バカンスにぴったりの温泉です。

チェコ:カルロヴィ・ヴァリ

入浴するのではなく「飲む」温泉が楽しめる、チェコでも最大の温泉都市として知られているカルロヴィ・ヴァリ。
源泉が発見されたのは14世紀の半ばという長い歴史を持つ温泉です。
コロナーダという飲泉場が街のあちこちに点在していて、陶器のマグカップで源泉を飲みながらの街歩きを楽しむことができます。
源泉は少々しょっぱい味わいとのこと。
名物のウェハースなど、甘いものとあわせて楽しむのがおすすめとされています。

北欧や中米の温泉

北欧や中米にも世界的に有名な温泉があります。

アイスランド:ブルーラグーン

温泉の国とも呼ばれるアイスランドでは、家庭で使う水道水もほとんどが温泉。
蛇口をひねると温泉が出てくるというのですから、どれほど温泉が身近なものかがよくわかります。

アイスランドのレイキャビクにあるブルーラグーンは、地熱発電の排水を利用した世界最大の露天風呂として知られています。
地下から汲み上げた熱水を発電に使用したあと湖に流すことでつくられており、温泉とは思えない壮大なスケールと水色のお湯の美しさに圧倒されることは間違いありません。
冬に訪ねると、運がよければオーロラを眺めながら入浴することもできるとのこと。
レイキャビク市街からのアクセスも良好で、アイスランド観光の際はぜひ訪れたいスポットです。

コスタリカ:タバコン温泉

コスタリカのアレナル火山近くにあるタバコン温泉は、なんと川全体が温泉になっています。
温かい水が滝のようにしぶきを上げて流れる光景はまさに絶景。
コスタリカ旅行をするならぜひ訪れたいスポットです。
日帰りの入場券ならお手頃価格で楽しめるため、リーズナブルな旅行にしたい方にもおすすめです。

人生で一度は訪れたい海外の温泉地

日本の温泉とは雰囲気の違う海外の温泉地を紹介しました。日本では熱いお湯につかってリフレッシュするのが一般的ですが、海外ではぬるいお湯に水着などを着てのんびりつかったり、プールのように楽しんだりすることが多いです。
そのためとても開放的な温泉施設が多く、雄大な景色のなかで入浴できるのも特徴。日本の温泉とはひと味違う魅力を体感しに、ぜひ現地を訪ねてみたいものです。

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