知る・学ぶ

2022-12-16
2022-12-16

楽しいバスタイムには欠かせないアイテム・入浴剤の長い歴史

お風呂を楽しむためには欠かせない入浴剤。
さまざまな種類が発売されており、よりリラックス効果を高めるため、またお湯の香りや色を楽しむため、その他にもいろいろな用途で使われています。
今でこそ日本人の日常に浸透している入浴剤ですが、元々はお湯に薬用効果のある植物を入れたのがはじまりでした。
今回は、入浴剤の持つ長い歴史を紐解いてみましょう。

入浴剤の起源は薬湯にあり

日本は、世界的に見ても有数の温泉国といわれます。
全国各地にたくさんの天然の温泉が湧いており、昔から多くの人々が利用してきました。
現代の温泉旅行については「のんびりお風呂に入ってリラックスする」という側面が強調されていますが、温泉は元々病気や怪我の治療、また健康の保持及び増進を目的として利用されたものでした。
こういった背景があったため、薬用の植物をお湯に入れた「薬湯」という文化が生まれたのです。

江戸時代になると病気や怪我に合わせて薬湯が処方されるようになり、さまざまな薬木・薬草を調合し、お湯で煮出したものを皮膚病の治療等に用いたと伝えられています。
今でこそ薬湯が元々の意味で利用されることはほとんどなくなりましたが、現代においても薬湯文化は季節の慣習という形で伝えられています。
端午の節句に入る菖蒲湯、冬至に入るゆず湯などが有名ですね。

お湯に何かを入れて入浴に用いる、という発想は治療のための薬湯から生まれたのです。

高度成長期以降さらに普及した入浴剤

より手軽に利用できる入浴剤として発売された最も古いものは、明治時代、先ほど紹介したようにいろいろな生薬を調合し、各家庭で煮出して使用できるように布袋に入れた商品です。
この頃はまだ薬湯としての面が強かったですが、これ以降は「温泉の再現」としての入浴剤が注目されました。
元々日本の温泉にはさまざまな有効成分が含まれており、成分に応じた数々の効能が期待できることがわかっていました。
この温泉の持つ効能を普通のお風呂でも再現できないかということで、天然の温泉成分を粉末にし、お湯に溶いて使用する入浴剤が生まれたのです。
昭和初期には、温泉成分のうち安全性の高さや高い効能を持っており、さらに安定した品質を保てるという条件をクリアしている基剤が原料として用いられた無機塩類入浴剤が開発されました。

初期の入浴剤は温泉の持つ効能を再現することに重きをおいていましたが、その後は「入浴によって得られるリラックス効果」に着目されることが増えていきました。
その結果として、もっと入浴することそのものを楽しめるよう、お湯に色をつける色素や良い香りにするための香料が用いられはじめます。
現在の入浴剤に近い形は、この頃に完成されたといえるかもしれません。

戦後の高度成長期以降、多くの一般家庭にお風呂が備え付けられるようになってから、入浴剤はより多くの需要を抱えるようになります。
現在も人気の炭酸ガス系入浴剤が発売されたのは1980年代の頃です。
またその後の温泉ブームによって、温泉を再現するタイプの入浴剤も再び人気を集めました。
それから現在に至るまで、入浴剤はすっかり日本の家庭に定着し、毎日の入浴に欠かせないお風呂のお供となったのです。

そして、近頃は健康だけでなく美容効果に注目した商品も増えてきています。
疲労の回復や肩こり等の症状を緩和したり、リラックス効果をさらに高めたり、お肌を保湿する効果があったりと、入浴剤の種類・効能は多岐に亘ります。
単純にQOL=生活の質を上げるためだけではなく、薬湯として用いられていた過去と同様、自宅で簡単に試せる一種の健康法として浸透しているといえるでしょう。

海外の入浴剤

海外メーカーの入浴剤にはおしゃれなものも多く、愛用している方も多いでしょう。
海外の入浴剤の歴史も、日本と同じように薬湯としてはじまったと考えられています。さまざまな植物を用いた薬湯が傷の治療に用いられたという記録が残っています。
ただ治療目的のものばかりではなく、古代ローマ時代においてはお湯に花を浮かべたり精油を垂らしたりして、リラックスしながら入浴を楽しむこともあったようです。
早い段階で香りを楽しむ文化が生まれていたのですね。

海外の多くの国と日本とでは、入浴に対する考え方が少し異なります。
日本では汚れや汗を落としからだをきれいに洗うだけでなく、お湯にしっかりつかって温まることを重視する傾向があります。
一方海外の多くの国では、お湯につかって温まることよりもからだをしっかり洗いケアすること、香りを楽しむことなどが重要視されてきました。

そのため、お湯につかりながらからだを洗うことができるバブルバスの文化が生まれました。
またバブルバスには硬水を軟化させる作用もあります。
生活用水が硬水であることの多い海外ならではの知恵といえますね。
ボディケアの観点から、肌を保湿してくれるバスオイルやバスミルクなどの入浴剤も人気です。
今では日本でもお風呂でのボディケアが一般的になったこともあり、海外メーカーのこうした入浴剤を楽しんでいる人も多いです。

入浴剤を使って毎日のお風呂を楽しもう

入浴剤を使って毎日のお風呂を楽しもう
入浴剤は、お風呂の長い歴史の中で、そのときどきのニーズに応じて進化を続けてきました。
現在はお手頃価格で普段使いしやすいものから、特別な日の贅沢なバスタイムにぴったりのリッチなアイテムまで、さまざまな入浴剤が販売されています。
シーンに合わせた入浴剤を楽しみながら、その長い歴史に思いを馳せてみるのはいかがでしょうか?

給湯器の故障・販売・交換で
お困りの方へ

給湯器のトラブル・お悩みを迅速解決いたします!
給湯器の販売、給湯器新規取付、給湯器故障時の交換、修理対応、その他トラブル対応を、千葉県・茨城県・東京都を中心に365日年中無休で承っております。

給湯器のサイトはこちら

お風呂のリフォームを
ご検討中の方へ

お風呂に関するトラブル・お悩み解決いたします!
システムバスへの交換をはじめ、ご要望に応じたバスリフォームを、千葉県・茨城県・東京都を中心に365日年中無休で迅速に行ないます。

お風呂リフォームのサイトはこちら

Recommend

給湯器・お風呂に関するおすすめ記事

2024-04-30

近年注目の「水素風呂」とは? メリットや導入方法について

1日の疲れを癒やす入浴の効果をさらに上げるため、お風呂に入浴剤を入れたり、半身浴を行ったりする方は多いのではないでしょうか?
このほかにも近年は、水素を使用した「水素風呂」に注目が集まっており、自宅で楽しむ方も増えてきています。
そこで今回は、水素風呂とは一体どんなものなのか、効果効能や自宅で行う方法についてご紹介します。

水素風呂とは?

水素風呂は、水素発生機や入浴剤を使用してお湯の中に水素ガスを溶け込ませたお風呂です。
近年人気の「水素水」は飲むことで身体に取り入れますが、水素は自然界の中で最も分子量が小さい気体であり、人体へは皮膚や呼吸を通じて吸収することもできるので、水素風呂に入浴することによって効率よく全身に取り込めます。

水素風呂の効果については研究途上の段階でまだまだ全容は明らかになっていませんが、水素は病気や老化の原因に挙げられることが多い「活性酸素」を除去し、水として体外へと排出してくれるといわれ話題になりました。また、このほかにも様々なメリットがあるとされています。

水素風呂の主なメリット

身体がより温まる

水素風呂は、通常のお湯で入浴するよりもさらに身体を温められる効果があるといわれています。水素風呂には血管を拡張する働きがあり、体内の奥深くまで温められて持続力も長いとされています。
体が温まると新陳代謝が促され、免疫力の向上にもつながるため、入浴によって疲労回復だけでなく健康維持にも効果的であるといえるでしょう。

肌のケアにも効果的

水素には老化の原因となる活性酸素を除去する働きがあるといわれており、これが肌の表面にも作用して外部の刺激などによる肌トラブルを軽減する効果が期待できます。水素が肌の奥深くに浸透することで保湿効果もあり、シワを予防する効果もあると期待されています。
また活性酸素が取り除かれることで、髪の傷みや白髪、薄毛、抜け毛といったトラブルを予防するヘアケアにもつながります。

疲労回復やストレス解消

水素風呂は疲労回復やストレス解消にも効果があるといわれています。これらは身体に蓄積した活性酸素が原因となっている場合があり、水素風呂に浸かることで除去されて身体の内側からサポートしてくれます。
またお風呂の温かさと水素の効果が合わさって、より深くリラックスした状態へとつなげることができます。

ダイエットサポート

水素風呂はダイエットサポートの効果も期待されています。水素が体内に吸収されることで血流が促進されて代謝もアップし、体脂肪が消費しやすくなって痩せやすい体質へとつながります。日頃の生活習慣も見直しながら挑戦してみるとよいでしょう。
また代謝がよくなると老廃物の排出もスムーズになるので、デトックス効果をもたらし美容や健康をサポートします。

水素風呂を自宅に導入するには?

水素風呂を自宅に導入する場合は、水素発生機の利用と入浴剤を入れる2つの方法があります。

水素発生機

水素発生機は浴槽に沈めて、お湯を電気分解することで水素が発生する仕組みの水素風呂です。初期費用はかかりますが、コンセントにつないで本体のスイッチを入れるだけで水素風呂を楽しむことができ、習慣化して長期間使用する予定がある場合にはおすすめです。機器のレンタルを行なっている会社もあるので、ぜひお試しで使用してみてはいかがでしょうか。
このほかには特殊な容器にマグネシウムの塊を入れるものなどがあります。

入浴剤

水素入浴剤タイプは、通常の入浴剤と同じく浴槽のお湯と混ぜることで水素を発生させるというものです。水素の発生時間は一般的に3~8時間ほどとなります。
一回使い切りのものが多く、手軽に使用できるのが魅力ですが、一般的な入浴剤と比べると価格は高いため長期的に見るとコスト負担が大きくなります。
そのため「水素風呂がどんなものなのか試してみたい」という方におすすめで、本格導入する際は水素発生機の利用を検討してみましょう。

まずはお試しで始めてみよう!

水素風呂の効果効能や、自宅で楽しむ方法についてご紹介しました。
日々の入浴タイムに水素風呂を活用することで、より身体が温められるだけでなく、肌のケアやダイエットサポートなど様々なメリットが期待できます。
ただし、通常の入浴と同様に水分不足には注意が必要で、体調不良や思わぬトラブルを防ぐためにも入浴前後にしっかり水分補給はしておきましょう。

水素風呂をお試しで始めるのであればまずは入浴剤がおすすめなので、身体の健康や美容に気を遣いたいという方はぜひこの機会に水素風呂の効果を確かめてみてください!

2024-04-22

リフォームを考えている方は要チェック! 2024年注目の浴室インテリアトレンド

インテリアのトレンドも、ファッションの流行と同じように移り変わりが激しいものです。
定番のデザインや伝統的に愛されてきたデザインもありますが、せっかくバスルームをリフォームするなら今のトレンドを押さえたデザインにしたいところです。
バスルームのようなプライベートな空間なら、自分の好みに合わせて自由にトレンドを取り入れられるのも嬉しいポイント。
今回は、近年のバスルームのインテリアデザインのトレンドをご紹介します。

バスルームへのトレンドの取り入れ方

バスルームのリフォームは、そう頻繁にできるものではありません。
だからこそトレンドを取り入れることに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、トレンドのみを追いかけたデザインにするのではなくクラシックなテイストを取り入れることで流行のみに囚われているものとは違う、タイムレスな魅力のインテリアを完成させることができます。

これからご紹介するトレンドについてもすべてを取り入れる必要はもちろんありません。
自分の好きな雰囲気やテイストにも合わせやすいトレンドを組み合わせて理想のバスルームをつくりましょう。

2024年に注目したいトレンドデザイン

スパルームを思わせるデザイン

海外で人気を集めているのは自宅にスパルームをつくること。
新型コロナウイルス感染症の流行を経て、在宅ワークをはじめとして自宅で過ごす時間が増えたことで、自宅にいながら癒されたい、生活の質をより向上させたいと考える人が多くなったようです。
自宅に完全なスパルームをつくることは難しくても、スパのようなリラックスできる雰囲気づくりはできるはず。
たとえば壁はバスルームによく使われる白ではなく、あたたかみを感じられるグレーに。
そして小物類などは暖色系のカラーをワンポイントのように取り入れると、全体的に高級感がありながら落ち着きのある雰囲気が完成します。
在宅ワーカーや、自宅で体を動かす機会のある人など、体の疲れを取るためだけでなく、居心地のいいバスルームにしたい人におすすめです。

オーガニックな雰囲気

ここ数年はさまざまな業界でオーガニック素材を取り入れたデザインが流行しています。
バスルームも例外ではなく、テラコッタなどの天然素材を用いたデザインがブーム。
これからもこの流行は続くとみられていて、テラコッタのタイルやインテリアアイテムなどの形でバスルームに取り入れるのがおすすめ。
テラコッタ自体は伝統的に愛されてきた素材で流行に左右されるものではありません。
クラシックでありながらモダンなテイストも持ち合わせていて、洗練された雰囲気のバスルームを目指したい方におすすめです。
テラコッタのほか、植物などの自然からインスピレーションを受けたデザインを取り入れた、リラックスできて落ち着く空間づくりが流行しています。
鉢植えなどのグリーンを浴室に配置するとより自然を感じられる雰囲気に。

おしゃれな照明

照明は、部屋の雰囲気を大きく変えるインテリアアイテムのひとつ。
バスルームももちろん例外ではありません。
基本的にはシンプルなデザインの照明が使われることの多いバスルームですが、近年はむしろインテリアの主役となるようなおしゃれで主張の強い装飾的なデザインの照明がトレンドになるとのこと。
好きなテイストのものでいいので、ユニークでアーティスティックなアイテムを選ぶと心からゆっくりとリラックスできる空間づくりにつながります。
バスルームをリフォームするなら、照明のデザインにもこだわってみるのがおすすめです。

ヴィンテージ風のテイスト

ヴィンテージ風のテイストは、今後も主流のトレンドとなる見込みです。
ヴィンテージテイストは先ほど紹介した色を取り入れるインテリアデザインとも好相性。
ノスタルジックなクリームがかったピンクやイエロー、ミントグリーンなど、どこか懐かしい雰囲気のヴィンテージカラーは洗練された印象を与えます。
あえて使い込まれたような風合いにデザインしたもの、艶を消したりニスを塗らず仕上げたりといったヴィンテージテイストのアイテムを活用することで、機能的でモダンでありながらシャビーシックな雰囲気のおしゃれなバスルームを演出できそうです。

まずは小物から取り入れるのもおすすめ! トレンドを取り入れてバスルームをブラッシュアップ

バスルームのインテリアに関するトレンドをご紹介しました。
部屋の内装全体をトレンドに合わせて変えるのは難しい部分もありますが、照明や水栓、バスルーム内に置くインテリアアイテムなど、小物類からトレンドを取り入れるとそれだけでもおしゃれな雰囲気に。
毎日使うバスルームが自分好みのおしゃれな雰囲気になれば、心も体もより一層リフレッシュできるようになるでしょう。
リフォームで大胆にバスルームをつくり変えるのもよし、小物からトレンドを取り入れるのもよし。
日頃の疲れを癒す場所であるバスルームをより居心地のいい場所にするため、手軽にチャレンジできるところからトレンドや好みを取り入れた素敵な空間へとつくり変えてみましょう!

Category

給湯器・お風呂に関するおすすめ記事

知る・学ぶ

今まで知らなかった給湯器にやお風呂に関する豆知識やタメになる情報をご紹介しています。

健康・生活

給湯器とお風呂の使い方で、健康や生活に役に立つ情報をご紹介しています。

ECO・節約

お得に給湯器やお風呂を使う方法や、エコになる情報をご紹介しています。

TOP