お風呂の追い焚き装置のことを「風呂釜」といいます。
浴槽にすでに張られている水を温めたり、沸かしてから時間が経ってぬるくなってしまった残り湯をもう一度温めて入浴に使ったりすることができるとても便利な追い焚き機能。
ですが、定期的に掃除していない風呂釜で追い焚き機能を使い続けるとお湯や浴槽の状態にトラブルが起きることもあります。
今回は、直接目に見える場所にない装置であることからついつい後回しにしてしまいがちな風呂釜のお掃除方法についてご紹介します!
風呂釜に溜まる主な汚れ
まずは風呂釜に溜まることの多い汚れの種類について見ていきましょう。
皮脂汚れ
風呂釜は、浴槽に溜まっている水を循環させ温め直す装置です。
一度使った残り湯には皮脂汚れが含まれているため、汚れた残り湯を配管から取り込み循環させることで皮脂汚れが配管内に蓄積されていくのです。
水垢
水垢は、水道水内に含まれるミネラル分が結晶化したものです。水道水が自然に蒸発する際にはどうしても水垢が残ってしまうのです。
一般的にお風呂のお湯に使われるのは水道水ですので、入浴に使っていない状態であっても浴槽に水を張っているだけで少しずつ水垢が溜まっていってしまいます。
入浴剤
お風呂に入るときには、お湯に入浴剤を入れるという方も多いかと思います。
美容・健康効果が期待できるものもたくさん発売されていますし、いい香りや色で気分転換しよりリラックスできるバスタイムを過ごすためには欠かせないアイテムのひとつですよね。
ですが、この入浴剤が入れられた状態のお湯も風呂釜を汚す原因となります。特にバスオイルやバスソルトなど、油分・塩分を含む入浴剤には注意しましょう。
油分は配管内に蓄積されやすい油汚れとなりますし、塩分が含まれる水に触れていることで金属部分がサビやすくなります。
放置された残り湯
残り湯をまた温めて使える追い焚き機能はとても便利なものですが、実は放置された残り湯そのものの汚れにも注意が必要です。
残り湯の中に含まれる細菌の数は、なんと一晩おくだけでおよそ1,000倍にもなるのだそうです。
一晩放置した残り湯には大量の細菌が含まれており、そのお湯を追い焚きすることで風呂釜の配管も目には見えない細菌で汚れてしまうのです。
細菌が多いお湯を使って入浴することには健康リスクがあるのは言うまでもないですが、なかでもレジオネラ属菌によるレジオネラ症には注意が必要です。
発熱や咳、筋肉痛といった症状が特徴のレジオネラ症は、子供や年配の方など、免疫力が下がっている方が特にかかりやすい病気です。
このレジオネラ症への感染を防ぐためにも、浴槽や風呂釜のお掃除をしっかり行うことが大切です。
風呂釜の仕組みには2種類のタイプがある
風呂釜の掃除方法をご紹介する前に、まずは風呂釜の仕組みについて簡単に解説します。
浴槽に溜まっている水や残り湯を温め直すことができる風呂釜。その機能自体は同じですが、装置の仕組みは2種類のタイプに分かれています。
ひとつ穴
浴槽についている穴がひとつだけの風呂釜を「ひとつ穴」タイプといいます。
お湯の吸い込み・吐き出し口がこのひとつの穴から行われるタイプの風呂釜で、ポンプを使って水を循環させるためお湯の勢いが強く、配管に汚れが溜まりにくいという特徴があります。
ふたつ穴
浴槽についている穴がひとつの「ひとつ穴」タイプに対し、お湯を吸い込む箇所と吐き出す箇所がそれぞれに分かれておりふたつの穴がついている風呂釜を「ふたつ穴」タイプといいます。
ひとつ穴タイプの風呂釜と比べると、水の循環にポンプを使わないためお湯の勢いが弱く、配管に汚れが溜まりやすい傾向があります。
風呂釜のタイプ別お掃除方法

先ほど風呂釜にはひとつ穴タイプとふたつ穴タイプの2種類があるとご紹介しました。
浴槽の水を循環させて温めるという機能自体は同じですが仕組みが異なるため、効果的なお掃除の方法もそれぞれ違います。
ここでは、タイプ別に簡単なお掃除の方法をご紹介します。
ひとつ穴タイプはつけ置き洗浄が効果的
浴槽内にある穴がひとつのひとつ穴タイプの場合、つけ置き洗浄が簡単で効果的です。
必要なものは、ひとつ穴タイプの風呂釜用の洗剤もしくは酸素系の漂白剤、そして作業中に着用するゴム手袋とスポンジです。
まずは浴槽の穴の5cmほど上まで水をはります。
入浴剤等が入っていない場合には、冷めた残り湯をそのまま使用することもできます。
浴槽にはった水に、用意しておいた風呂釜用洗剤もしくは酸素系の漂白剤を規定の量に従って入れます。
汚れがひどいときには若干量を増やすとより高い洗浄効果が期待できます。
その後40度から50度ほどの若干高めの温度で追い焚きし、お湯の温度が保てるようお風呂のふたをして2時間から3時間ほど放置します。
放置後、もう一度5分ほど追い焚きをしてからお湯を抜きます。
洗剤が入ったお湯をすべて抜いたら、今度は何も入っていない水を同じくらいの量ためて5分ほど追い焚きし、排水すれば掃除は完了です。
ふたつ穴タイプは水圧を利用して洗浄しよう
浴槽に穴がふたつあるふたつ穴タイプの風呂釜は、ひとつ穴タイプのものと比べるとお掃除にも少し手間がかかります。
用意するものは、ふたつ穴の風呂釜用の洗剤もしくは酸素系の漂白剤、汚れてもいいタオル、やかんなどお湯を注ぎ入れられるような容器、作業中に着用するゴム手袋です。
はじめに、浴槽にふたつある穴のうち、下側の穴にタオルを詰めて水が漏れ出さないようしっかりと塞ぎます。
そして規定量の洗剤を上側の穴に入れた後、やかんなどを使って40度から50度ほどの温度のお湯を上の穴に注ぎ入れます。
穴からあふれない程度の量を注いだら、そのまま2時間ほど放置し汚れを浮き上がらせます。
その後下の穴に詰めていたタオルを外し、シャワーを使って上下の穴に水を流して浮いた汚れを勢いよく流します。
こうしたお掃除を月に1回行うことで、風呂釜を清潔な状態に保つことができます。
後回しにせず定期的にきちんとお掃除を!

風呂釜の配管内部は直接見て汚れを確認することができないため、つい掃除を後回しにしてしまいがちです。
風呂釜の掃除を怠ると細菌など目に見えない汚れの原因にもなりますので、定期的にきちんとお掃除をして清潔な状態を保つようにしましょう。

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リラックスのつもりが危険に? お風呂で眠くなる原因と安全対策
一日の疲れを癒やすために、ゆっくりと湯船につかる時間を楽しみにしている方は多いのではないでしょうか。
ところが、リラックスしすぎてお風呂でうとうとしてしまい、気付いたら寝ていたという経験を持つ方も少なくありません。
今回は、お風呂で眠くなる理由や寝落ちが危険とされる背景を分かりやすく解説しながら、安全に入浴を楽しむための対策をご紹介します。
お風呂に入ると眠くなる主な理由
お風呂に入ると急に眠気を感じやすくなる主な理由としては、「睡眠不足」が大きく関係しています。十分な睡眠が取れていない状態では、体と脳が常に疲労を抱えたまま過ごしているため、少しのリラックス刺激で一気に眠気が表に出やすくなります。
仕事や家事で疲れ切った状態で夜遅くに入浴する人ほど注意が必要です。体はすでに限界に近く、温かいお湯に包まれた安心感が加わると、意識を保つ力が急激に低下します。気付かないうちに目を閉じてしまい、そのまま寝落ちにつながるケースも少なくありません。
入浴中に強い眠気を感じやすい人は、日頃の睡眠時間や生活リズムを一度見直してみる意識も大切です。
お風呂で寝てしまうリスクについて
お風呂で眠ってしまう行為は、想像以上に大きなリスクを伴います。
最も注意したいのは、溺水につながる危険性です。通常なら眠ってしまっても、顔が浴槽に沈んだことに気がついてすぐに起きられますが、深刻な睡眠不足の場合は気づかずそのまま溺れてしまうおそれがあります。
また、長時間の入浴によって体温が上昇すると、のぼせや脱水を引き起こしやすくなります。
特に高齢者や疲労が強い方、飲酒後の入浴ではリスクが一段と高くなります。体力や判断力が低下していると、眠気に逆らえず、そのまま意識を失うように寝てしまう場合があります。
リラックスするはずのお風呂が、命に関わる場面に変わる可能性があるため、入浴中の寝落ちは決して軽視できません。
お風呂は心身を癒やす大切な時間だからこそ、危険性を理解し、眠ってしまわない工夫が必要です。
お風呂で眠ってしまわないためには?

お風呂での寝落ちは、いくつかの習慣を見直すだけでも防ぎやすくなります。
睡眠不足を解消
最も根本的な対策として、睡眠不足を解消しましょう。慢性的な寝不足が続くと、入浴中に限らず強い眠気に襲われやすくなります。入浴中に何度も眠くなる場合は、生活リズムや就寝時間を見直し、しっかり休息を取る工夫をしてみましょう。
飲酒後や食後すぐの入浴は要注意
飲酒後や食後すぐの入浴は控えてください。アルコールを摂取したあとは血管が広がりやすく、入浴によって血圧が急激に下がりやすくなります。強い眠気や立ちくらみを感じやすく、非常に危険な状態につながります。食後すぐの入浴も消化器官に血液が集まっているため、ぼんやりしやすくなります。
特に飲酒後はその日は入浴しないようにすると安心です。
シャワーで済ませる
眠気を感じやすい日は、湯船につからずシャワーで済ませる方法も有効です。シャワーであれば意識が遠のくリスクを下げられます。
特に疲労が強い日や深夜の入浴では、安全面を優先した選択としておすすめです。
マッサージする
入浴中に軽いマッサージを取り入れるのも、寝落ち防止につながります。肩やふくらはぎをゆっくり動かすと、体を温めつつ意識を保ちやすくなります。
ただし、力を入れすぎると逆にリラックスしすぎるため、軽めを意識してください。
アラームをかける
時間管理も大切です。入浴前にアラームを設定しておくと、長湯を防ぎやすくなります。スマートフォンや防水タイマーを使い、10分から15分程度で一度区切る習慣をつけると安心です。
お湯の温度をぬるめに
お湯の温度にも注意しましょう。お湯は38〜40度程度のぬるめを目安にすると、体への負担が抑えられます。熱すぎるお湯や長時間の入浴は、眠気や意識低下を引き起こしやすくなるため避けたほうが安全です。
万が一に備えて意識しておきたいポイント
どれだけ注意していても、体調や疲労の度合いによっては、入浴中ふとした時に寝落ちしてしまう可能性があります。そのため、日頃から万が一を想定した意識を持っておくと安心につながります。
例えば、一人で入浴する場合でも、家族や同居人が在宅している時間帯を選ぶと安全性が高まります。声をかけられる距離に誰かがいるだけでも、異変に早く気付いてもらいやすくなります。
浴室の環境を整えておく工夫も欠かせません。浴槽のふちや洗い場で滑らないように、滑り止めマットを敷いておくと、ふらついた際の転倒リスクを抑えられます。
また、高齢者の方が入浴する場合、浴室のドアは完全に閉め切らず、少し開けておくと異常時に発見されやすくなります。
安全に心地よい入浴時間を楽しもう

お風呂は一日の疲れを癒やす大切な時間ですが、眠ってしまうと大きな危険を伴います。睡眠不足や入浴習慣を見直すだけでも、寝落ちのリスクは下げられます。無理をせず、自分の体調と向き合いながら、安全で心地よい入浴時間を心がけていきましょう。
新年の健康祈願に! 1月の季節湯「松湯」を楽しもう
昔から日本では、季節に合わせて湯船に植物や果物を入れる「季節湯」が親しまれてきました。なかでも1月の季節湯「松湯」は、縁起物として知られる松の香りを楽しみながら、冷えた身体をじんわり温められる入浴法です。
1月は一年の始まりで、新たな気分を整えながら身体も温めたい時期です。日常の入浴にひと工夫を加えれば、冬の寒さが和らぎ、心まで明るくなります。
今回は、自宅で気軽に楽しめる松湯の魅力や、作り方などについてご紹介します。
松湯とは? 日本伝統の「季節湯」について
季節湯は、その時期に合わせた植物や果物を湯に入れて、身体を整える入浴法です。古くは江戸時代に広まった習慣で、祝いや厄除け、無病息災を願いながら入浴する文化として受け継がれています。
そして、1月に親しまれてきた季節湯が「松湯」です。日本ではとても縁起の良い木とされている松は冬でも葉が落ちない常緑樹であるため、「不老長寿」の象徴としても知られています。
具体的には「松の葉」を用いた入浴法となり、精油成分を多く含んだ葉のおかげで、体はポカポカと温まり、心地良い木の香りで森林浴のような気分も味わえます。
松の葉を手に入れる機会はあまりないかもしれませんが、松湯の時期はちょうど1月なので、正月飾り用の松を活用するのがおすすめです。
ぜひ新年のスタートを清々しい気分で迎えるために「松湯」を実践してみてはいかがでしょうか。
松湯の主な効果効能について
松湯は、一年のスタートにぴったりな効果効能が期待できます。
リラックス効果
松には精油成分が多く含まれていて、爽やかな香りがリラックス効果をもたらすといわれています。
年末年始は慌ただしい時間が続き、疲れや緊張が溜まる場合があります。湯船に入った瞬間に広がる香りが、気持ちを落ち着ける手助けとなるでしょう。
血行促進・温浴効果
松に含まれる精油成分によって、松湯は温浴効果に加えて血行促進にも効果があるとされています。
外出から戻って体が冷え切った日でも、松湯にゆっくり浸かることで身体の芯まで温まりやすくなります。
また、肩こりなど不調を感じている方におすすめです。
松湯の作り方は?
松湯は、簡単な下準備だけで自宅で楽しめます。
松の葉をよく洗う
まず風呂に入れる松の種類ですが、年末年始に売られている正月飾り用の松が簡単に手に入るのでおすすめです。100~150gを目安に用意しましょう。
松の葉を枝から丁寧にもぎ取り、葉についている樹脂をぬるま湯でよく洗い流してください。また、葉の付け根の茶色い部分がくっついてくる場合は取り除きましょう。
煮出して浴槽に流し込む
次に洗った葉を出汁パックや布袋に詰めて、鍋に入れて中火で10〜15分ほど水から煮出します。
その後、煮出した汁だけを浴槽に流し込み、よくかき混ぜれば完成です。
なお、より手軽に作る方法としては、飲用の松葉茶を使用するのもおすすめです。
松湯を安全に楽しむためのポイント

松湯を安心して楽しむために、いくつか注意点を押さえておきましょう。
肌への刺激
松に含まれる精油成分は、皮膚を刺激する作用があるため、人によっては痒みやヒリつきを感じる場合があります。異常を感じた際はすぐにお風呂から出るようにしましょう。敏感肌の方や子どもが入浴する場合は、最初は量を少なめにし、問題がないか様子を見ると安心です。
また、松の葉を一緒に入れることも可能ですが、チクチクするので注意してください。
適切な入浴時間を守る
入浴時間は長くしすぎないように意識してください。のぼせないように目安として10〜15分ほどで切り上げると負担をかけずに済みます。
また、入浴前後に水分補給も忘れずに行いましょう。
入浴後はしっかり掃除を
松湯に限らず、お風呂に入浴剤や植物を使用した場合、入浴後は浴槽や排水口をしっかり掃除しましょう。
時間が経つにつれ汚れや匂いが付着し、落ちづらくなるおそれがありますので注意が必要です。
また、入浴後は保温や追い焚き機能は使用しないでください。細菌や微生物が繁殖しやすくなる原因につながります。
松湯で心身を整えよう

松湯は、特別な準備をしなくても取り入れやすく、寒さが厳しい1月にぴったりの入浴方法です。爽やかな香りや心地よい温かさに包まれながら、ゆっくり過ごす時間は心身を整えるきっかけになります。
慣れてきたら、季節に応じた他の季節湯にもぜひ挑戦して、自宅のお風呂時間をより楽しい習慣にしてみましょう!







