四季折々の植物や果物をお風呂に入れて楽しむ「季節湯」。冬至のゆず湯や、こどもの日の菖蒲湯などは今でも有名で、広く知られていることと思います。銭湯や温泉でも、その時期は特別にゆず湯や菖蒲湯を用意するイベントを催していることがありますよね。
しかし、それ以外の季節湯については、よく知らないという方も多いのではないでしょうか? 実は日本には、1月から12月まで豊かな四季を感じられる12種類の季節湯があります。
そこで今回は、11月のみかん湯など、日本伝統の「季節湯」を12ヶ月ごとにご紹介します。
平安時代が始まり? 日本伝統の「季節湯」とは
季節湯とは、その季節に旬の植物や果物を取り入れ、さまざまなアロマ効果を楽しむ入浴方法です。
その歴史の端緒については諸説ありますが、一説には平安時代、かの有名な空海が薬湯として医療用に用いたのがはじまりといわれています。
日本では入浴文化が早い段階から庶民にも広まっていましたが、この季節湯も「四季を肌で感じられる」と好意的に受け入れられ、四季の移ろいを楽しむ文化として今現在にまで受け継がれてきたのです。
12ヶ月ごとに異なる「季節湯」を楽しもう! 1月〜6月
「季節のものを取り入れる」とゆるやかに定義されている季節湯は、現代風にアレンジしてみても楽しいかと思いますが、まずは基本を知るためにも12ヶ月ごとのベーシックな季節湯をご紹介していきます。
1月の松湯
松湯とは、「松の葉」を用いた入浴法です。日本ではとても縁起の良い木とされている松は冬でも葉が落ちない常緑樹であるため、不老長寿の象徴としても知られています。
精油成分を多く含んだ葉のおかげで、からだはポカポカと温まり、心地良い木の香りで森林浴のような気分も味わえます。
松の葉を手に入れる機会はあまりないかもしれませんが、松湯の時期はちょうど1月。お正月の門松を松湯に活用するのもオススメです。
2月の大根湯
食材として馴染みのある「大根」も、季節湯に使われる植物のひとつ。お風呂に使うのは、大根の葉っぱの部分です。大根の葉を干して「干葉」と呼ばれる状態にし、細かく刻んで布の袋やだしパックなどに詰めて湯船に入れます。
大根湯は保温作用の高いお湯になるため、昔から冷え性対策などに使われてきたのだとか。
3月のよもぎ湯
草餅や草だんごの材料として、日本では広く親しまれている「よもぎ」。栄養価が高く、健康食としても注目されていますが、香りの良さや血行を促進する効果が期待できることなどから、お風呂に活用するのもぴったり。
春の訪れを感じさせる爽やかな緑の香りに癒されたい! という方にオススメです。
4月の桜湯
日本人には馴染み深い「桜の花」。春といえば、多くの人が真っ先に思い浮かべる花なのではないでしょうか。もちろん四季を楽しむ季節湯にも活用されており、実際に使われるのは葉や樹皮などですが、花も飾りとして散らしてみると、一層気分良くリラックス効果が期待できそうですね。桜の甘く心安らぐ香りで、和風のアロマバスを楽しんでみましょう。
5月の菖蒲湯
5月5日、こどもの日のお風呂といえば「菖蒲湯」です。もともと「端午の節句」として祝われていたこどもの日がはじまった歴史は、なんと奈良時代にまで遡るのだとか。
今でも季節の行事として広く知られ、時季になるとスーパー等で簡単に菖蒲を手に入れられるため、実際に入浴したことがあるという方は多いかもしれません。
買ってきた菖蒲を、そのまま湯船に入れるだけで良いというお手軽さがうれしいですね。
6月のどくだみ湯
独特の匂いから敬遠されることも多い「ドクダミ」ですが、日本では古くから薬草としても親しまれています。
だんだんと暑くなり湿度も高くなる6月は、肌トラブルが起こりやすい時期でもあります。肌の炎症を抑える効能があり、あせもや湿疹にも効果が期待できるどくだみ湯で、ぜひお肌をケアしてみてくださいね。
7月〜12月

7月の桃湯
「桃」といえば、甘くてジューシーな実が人気ですが、お風呂に使うのは葉っぱの部分になります。桃の葉には、美肌効果が期待できる成分が含まれているのです。基礎化粧品やボディソープなどにも、よく桃の葉が使われていますよね。
その美肌効果は古くから知られており、江戸時代から「夏といえば桃湯」といわれてきたのだとか。
8月の薄荷湯
夏の暑い時期にはぴったりの「薄荷」。肌がスースーと冷たく感じるので、冷えるイメージがありますが、実は血行を促進し、からだを温める効果があります。
肌はスッキリして体温は高くなる、まさに夏の理想的なお風呂を実現してくれます。
9月の菊湯
9月9日は、「菊」の節句とされています。中国から伝わった陰陽思想において、とくに縁起の良い日とされていた9月9日に、同じく縁起が良く、長寿の薬となると信じられていた菊を用いたお酒を飲んで長寿を願ったことから、「菊の節句」と呼ばれるようになったのだそうです。
お風呂に使う場合には、葉を煎じるほか、花を浮かべて香りを楽しむのもオススメです!
10月の生姜湯
からだを温める食材として広く知られている「生姜」は、食べるだけでなくお風呂に使っても効果的です。すりおろした生姜のしぼり汁をお湯に入れるほか、スライスした生姜を布の袋に詰めてお風呂に入れるだけでもOK。生姜の良い香りも楽しめるお風呂です。
11月のみかん湯
「みかん」の爽やかな香りをたっぷり楽しめるみかん湯。柑橘類に特有の香りにはリモネンという精油成分が含まれており、血行を促進する作用があるため、からだもポカポカと温まります。
使用するのはみかんの皮の部分となり、乾燥させた皮を布袋などに詰めてお風呂に入れ、甘酸っぱい香りを楽しみましょう!
12月のゆず湯
「ゆず」を使ったゆず湯は1年でもっとも昼が短く、夜が長くなる冬至の日に入るお風呂です。冬至の日にゆず湯に入ると、その後1年風邪をひかないという言い伝えがあることから、菖蒲湯と並んで今も多くの人が縁起を担ぎ、楽しんでいる季節湯のひとつです。
また、みかんと同じくゆずにも柑橘類特有の香りと成分が含まれており、血行を促進してからだを温めてくれます。みかん湯とは異なり、果実をそのままお風呂に浮かべて使えるため、お手軽なのもうれしいポイントです。
四季折々の「季節湯」でリラックスタイムを満喫しよう

日本伝統の「季節湯」を12ヶ月ごとにご紹介しました。春夏秋冬という4つの気候がそれぞれに大きく異なる日本ならでは豊かさが詰まった季節湯は、温泉や銭湯などではもちろんご家庭でも気軽に堪能できるのが魅力ですね。
これまで仕事や家事で忙しく、つい入浴はサッとお風呂に入るだけで済ませていたという方も、ぜひ四季折々の季節湯に浸かって、季節の変化を楽しみながらゆっくりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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リラックスのつもりが危険に? お風呂で眠くなる原因と安全対策
一日の疲れを癒やすために、ゆっくりと湯船につかる時間を楽しみにしている方は多いのではないでしょうか。
ところが、リラックスしすぎてお風呂でうとうとしてしまい、気付いたら寝ていたという経験を持つ方も少なくありません。
今回は、お風呂で眠くなる理由や寝落ちが危険とされる背景を分かりやすく解説しながら、安全に入浴を楽しむための対策をご紹介します。
お風呂に入ると眠くなる主な理由
お風呂に入ると急に眠気を感じやすくなる主な理由としては、「睡眠不足」が大きく関係しています。十分な睡眠が取れていない状態では、体と脳が常に疲労を抱えたまま過ごしているため、少しのリラックス刺激で一気に眠気が表に出やすくなります。
仕事や家事で疲れ切った状態で夜遅くに入浴する人ほど注意が必要です。体はすでに限界に近く、温かいお湯に包まれた安心感が加わると、意識を保つ力が急激に低下します。気付かないうちに目を閉じてしまい、そのまま寝落ちにつながるケースも少なくありません。
入浴中に強い眠気を感じやすい人は、日頃の睡眠時間や生活リズムを一度見直してみる意識も大切です。
お風呂で寝てしまうリスクについて
お風呂で眠ってしまう行為は、想像以上に大きなリスクを伴います。
最も注意したいのは、溺水につながる危険性です。通常なら眠ってしまっても、顔が浴槽に沈んだことに気がついてすぐに起きられますが、深刻な睡眠不足の場合は気づかずそのまま溺れてしまうおそれがあります。
また、長時間の入浴によって体温が上昇すると、のぼせや脱水を引き起こしやすくなります。
特に高齢者や疲労が強い方、飲酒後の入浴ではリスクが一段と高くなります。体力や判断力が低下していると、眠気に逆らえず、そのまま意識を失うように寝てしまう場合があります。
リラックスするはずのお風呂が、命に関わる場面に変わる可能性があるため、入浴中の寝落ちは決して軽視できません。
お風呂は心身を癒やす大切な時間だからこそ、危険性を理解し、眠ってしまわない工夫が必要です。
お風呂で眠ってしまわないためには?

お風呂での寝落ちは、いくつかの習慣を見直すだけでも防ぎやすくなります。
睡眠不足を解消
最も根本的な対策として、睡眠不足を解消しましょう。慢性的な寝不足が続くと、入浴中に限らず強い眠気に襲われやすくなります。入浴中に何度も眠くなる場合は、生活リズムや就寝時間を見直し、しっかり休息を取る工夫をしてみましょう。
飲酒後や食後すぐの入浴は要注意
飲酒後や食後すぐの入浴は控えてください。アルコールを摂取したあとは血管が広がりやすく、入浴によって血圧が急激に下がりやすくなります。強い眠気や立ちくらみを感じやすく、非常に危険な状態につながります。食後すぐの入浴も消化器官に血液が集まっているため、ぼんやりしやすくなります。
特に飲酒後はその日は入浴しないようにすると安心です。
シャワーで済ませる
眠気を感じやすい日は、湯船につからずシャワーで済ませる方法も有効です。シャワーであれば意識が遠のくリスクを下げられます。
特に疲労が強い日や深夜の入浴では、安全面を優先した選択としておすすめです。
マッサージする
入浴中に軽いマッサージを取り入れるのも、寝落ち防止につながります。肩やふくらはぎをゆっくり動かすと、体を温めつつ意識を保ちやすくなります。
ただし、力を入れすぎると逆にリラックスしすぎるため、軽めを意識してください。
アラームをかける
時間管理も大切です。入浴前にアラームを設定しておくと、長湯を防ぎやすくなります。スマートフォンや防水タイマーを使い、10分から15分程度で一度区切る習慣をつけると安心です。
お湯の温度をぬるめに
お湯の温度にも注意しましょう。お湯は38〜40度程度のぬるめを目安にすると、体への負担が抑えられます。熱すぎるお湯や長時間の入浴は、眠気や意識低下を引き起こしやすくなるため避けたほうが安全です。
万が一に備えて意識しておきたいポイント
どれだけ注意していても、体調や疲労の度合いによっては、入浴中ふとした時に寝落ちしてしまう可能性があります。そのため、日頃から万が一を想定した意識を持っておくと安心につながります。
例えば、一人で入浴する場合でも、家族や同居人が在宅している時間帯を選ぶと安全性が高まります。声をかけられる距離に誰かがいるだけでも、異変に早く気付いてもらいやすくなります。
浴室の環境を整えておく工夫も欠かせません。浴槽のふちや洗い場で滑らないように、滑り止めマットを敷いておくと、ふらついた際の転倒リスクを抑えられます。
また、高齢者の方が入浴する場合、浴室のドアは完全に閉め切らず、少し開けておくと異常時に発見されやすくなります。
安全に心地よい入浴時間を楽しもう

お風呂は一日の疲れを癒やす大切な時間ですが、眠ってしまうと大きな危険を伴います。睡眠不足や入浴習慣を見直すだけでも、寝落ちのリスクは下げられます。無理をせず、自分の体調と向き合いながら、安全で心地よい入浴時間を心がけていきましょう。
新年の健康祈願に! 1月の季節湯「松湯」を楽しもう
昔から日本では、季節に合わせて湯船に植物や果物を入れる「季節湯」が親しまれてきました。なかでも1月の季節湯「松湯」は、縁起物として知られる松の香りを楽しみながら、冷えた身体をじんわり温められる入浴法です。
1月は一年の始まりで、新たな気分を整えながら身体も温めたい時期です。日常の入浴にひと工夫を加えれば、冬の寒さが和らぎ、心まで明るくなります。
今回は、自宅で気軽に楽しめる松湯の魅力や、作り方などについてご紹介します。
松湯とは? 日本伝統の「季節湯」について
季節湯は、その時期に合わせた植物や果物を湯に入れて、身体を整える入浴法です。古くは江戸時代に広まった習慣で、祝いや厄除け、無病息災を願いながら入浴する文化として受け継がれています。
そして、1月に親しまれてきた季節湯が「松湯」です。日本ではとても縁起の良い木とされている松は冬でも葉が落ちない常緑樹であるため、「不老長寿」の象徴としても知られています。
具体的には「松の葉」を用いた入浴法となり、精油成分を多く含んだ葉のおかげで、体はポカポカと温まり、心地良い木の香りで森林浴のような気分も味わえます。
松の葉を手に入れる機会はあまりないかもしれませんが、松湯の時期はちょうど1月なので、正月飾り用の松を活用するのがおすすめです。
ぜひ新年のスタートを清々しい気分で迎えるために「松湯」を実践してみてはいかがでしょうか。
松湯の主な効果効能について
松湯は、一年のスタートにぴったりな効果効能が期待できます。
リラックス効果
松には精油成分が多く含まれていて、爽やかな香りがリラックス効果をもたらすといわれています。
年末年始は慌ただしい時間が続き、疲れや緊張が溜まる場合があります。湯船に入った瞬間に広がる香りが、気持ちを落ち着ける手助けとなるでしょう。
血行促進・温浴効果
松に含まれる精油成分によって、松湯は温浴効果に加えて血行促進にも効果があるとされています。
外出から戻って体が冷え切った日でも、松湯にゆっくり浸かることで身体の芯まで温まりやすくなります。
また、肩こりなど不調を感じている方におすすめです。
松湯の作り方は?
松湯は、簡単な下準備だけで自宅で楽しめます。
松の葉をよく洗う
まず風呂に入れる松の種類ですが、年末年始に売られている正月飾り用の松が簡単に手に入るのでおすすめです。100~150gを目安に用意しましょう。
松の葉を枝から丁寧にもぎ取り、葉についている樹脂をぬるま湯でよく洗い流してください。また、葉の付け根の茶色い部分がくっついてくる場合は取り除きましょう。
煮出して浴槽に流し込む
次に洗った葉を出汁パックや布袋に詰めて、鍋に入れて中火で10〜15分ほど水から煮出します。
その後、煮出した汁だけを浴槽に流し込み、よくかき混ぜれば完成です。
なお、より手軽に作る方法としては、飲用の松葉茶を使用するのもおすすめです。
松湯を安全に楽しむためのポイント

松湯を安心して楽しむために、いくつか注意点を押さえておきましょう。
肌への刺激
松に含まれる精油成分は、皮膚を刺激する作用があるため、人によっては痒みやヒリつきを感じる場合があります。異常を感じた際はすぐにお風呂から出るようにしましょう。敏感肌の方や子どもが入浴する場合は、最初は量を少なめにし、問題がないか様子を見ると安心です。
また、松の葉を一緒に入れることも可能ですが、チクチクするので注意してください。
適切な入浴時間を守る
入浴時間は長くしすぎないように意識してください。のぼせないように目安として10〜15分ほどで切り上げると負担をかけずに済みます。
また、入浴前後に水分補給も忘れずに行いましょう。
入浴後はしっかり掃除を
松湯に限らず、お風呂に入浴剤や植物を使用した場合、入浴後は浴槽や排水口をしっかり掃除しましょう。
時間が経つにつれ汚れや匂いが付着し、落ちづらくなるおそれがありますので注意が必要です。
また、入浴後は保温や追い焚き機能は使用しないでください。細菌や微生物が繁殖しやすくなる原因につながります。
松湯で心身を整えよう

松湯は、特別な準備をしなくても取り入れやすく、寒さが厳しい1月にぴったりの入浴方法です。爽やかな香りや心地よい温かさに包まれながら、ゆっくり過ごす時間は心身を整えるきっかけになります。
慣れてきたら、季節に応じた他の季節湯にもぜひ挑戦して、自宅のお風呂時間をより楽しい習慣にしてみましょう!







