日々の生活に欠かせない存在である「給湯器」。毎日使う分、コストパフォーマンスが気になるという方も多いのではないでしょうか?
給湯器はメーカーや機種ごとに異なる機能を持っていて、コストパフォーマンスもそれぞれ少しずつ違う部分があるという点についてはご存知の方が多いかと思います。
また、機能やメーカー等の違いに加えて「給湯器が稼働するための燃料となるエネルギーが何か?」によっても、さまざまな部分で費用に違いがあらわれます。
そこで今回は、利用するエネルギー別に給湯器のコストパフォーマンスについて解説いたしますので、ぜひ給湯器選びの参考にしてみてくださいね。
まずは基本から! それぞれの給湯器の特徴
はじめに、給湯器を利用するエネルギー別に3つに分けて、それぞれの基本的な特徴をご紹介していきます。
ガス給湯器
LPガスや都市ガスを燃料としている給湯器です。
ガス給湯器はお湯の加熱の仕方によって、水をタンクに貯めてからまとめて温める「貯湯式」、タンク内部を加圧し温める「真空式」、水道水が給湯管を通る際に温める「直圧式」の3つの型に分かれています。
また、設置の仕方としては、地面に置いて使用するもの、壁に組み込んだり貫通させたりして設置するもの、壁に掛けて設置するものなどがあります。
タンクが必要ない直圧式のガス給湯器であれば省スペースな壁掛型、少なくとも一日分以上の水を貯めておく必要のある貯湯式の給湯器は床置型というように、仕様によって設置の仕方や本体の大きさも変わってきます。
メリットとしては、高効率であるため省エネの面で優秀であること、家庭用給湯器として一般的な直圧式のものは本体のサイズがコンパクトで、価格帯も比較的安いことなどが挙げられます。
プロパンガスを使用する場合のデメリットとして、他の燃料を使うケースよりも光熱費が高くなりやすい点に注意が必要です。
石油給湯器
燃料として灯油を使う給湯器を「石油給湯器」といいます。
石油給湯器もガス給湯器と同様にさまざまな設置の仕方があり、それぞれ本体の形状やサイズが異なる点も共通していますが、大型の灯油タンクと接続して利用するという独自の特徴があります。
メリットは他の燃料と比べると光熱費が安くなること、給湯器本体の寿命が長めであること、ランニングコストが低めであることなどです。
一方デメリットとしては、給湯器本体のみならず石油タンクを設置する必要があること、燃料が切れないよう都度給油の手間があることなどが挙げられます。
電気給湯器
一般的な電気給湯器は、電気を燃料として、給湯部内に貯めた水をヒーターで加熱・保温する仕組みになっています。
エコキュートと呼ばれる給湯器は若干違うつくりで、二酸化炭素を電気エネルギーで高温にし、その熱で水を温めるという仕組みになっています。
電気給湯器といえばエコキュート、というくらいに広く普及した呼称で、知名度も高いです。
どちらにせよ電気給湯器では貯めておいた水を温めて使用するので、日中のうちにタンクに貯めた水を深夜にかけて沸かし、翌日給湯することになります。
深夜は電気料金が安いので光熱費の節約につながるのですが、前日貯めておいた水量以上にお湯を使ってしまうと日中にも水を温めることになり、結局光熱費が高くついてしまう可能性もあります。
その他のデメリットとして、給湯器本体の費用が高いこと、本体が大きいため設置するには広めのスペースが必要になることなどが挙げられます。
給湯器本体の価格はどのくらい?
先ほどはそれぞれの給湯器が持つメリット・デメリットについて簡単にご紹介しましたが、ここからはコスト面について1点ずつ確認していきましょう。
まずは給湯器本体の価格ですが、相場を見てみるとガス給湯器が5万円から10万円ほどということでいちばん安価です。
逆に高くなりがちなのは電気給湯器で、安いものでは10万円ほどですが高額になると40万円ほどのものもあります。特にエコキュートは高価で、安いモデルでも20万円ほどは必要になります。
石油給湯器はガス給湯器と電気給湯器の間、10万円から15万円ほどが相場とされています。
給湯器の設置・取り付けにかかる費用の違い
続いて給湯器の設置・取り付け工事にかかる費用ですが、ガス給湯器と石油給湯器に関しては両者にほとんど違いはありません。
電気給湯器についても、条件によっては高額になってしまうことがありますが、たいていの場合他の2種類の給湯器と設置費用にはそこまで大きな差はないようです。
ただ寒冷地においては、電気給湯器の設置・取り付け工事費用が高くなってしまう傾向があります。
タンクにお湯を貯めておく電気給湯器は、冷え込みに弱いという特徴があります。
気温が低くなる寒冷地では断熱材や加温・昇温機材を追加で取り付ける必要が出てくることもあり、普通に設置する以上のコストが後から発生するケースが起こりやすいのです。
ランニングコストと耐久年数を比較
続いて燃料別に見るランニングコストを比べてみましょう。
燃料の価格は地域によっても異なるためあくまで傾向ではありますが、単純にランニングコストだけを見れば石油給湯器がいちばんコストパフォーマンスに優れているといえます。
次いで都市ガスを使用した場合のガス給湯器、電気給湯器、プロパンガスを使用した場合のガス給湯器という順でコストが高くなっていきます。
耐久年数は、家庭用の場合ガス給湯器と石油給湯器が10年ほど、電気給湯器が15年から20年ほどとされています。
とはいえ10年を過ぎたらすぐに壊れてしまうというわけではなく、もっと長い間問題なく使用しているご家庭も多いです。
特にガス給湯器は定期的な点検の頻度が高いことからトラブルや不具合が発見されやすく、こまめに修繕されながら使われるため長持ちしやすい傾向があるといわれています。
自宅の環境に適した給湯器選びを
利用するエネルギー別に給湯器のコストパフォーマンスについてご紹介しました。どの給湯器にもメリット・デメリットがあり、一概にどの燃料を使う給湯器がいちばんコストパフォーマンスに優れているかを決めるのは難しいことです。
ただ、冷え込みの厳しい寒冷地においては、熱量が高くランニングコストも低い石油給湯器がおすすめです。
給湯器本体の価格や設置スペースの問題、ランニングコスト、耐久年数に加えて、お住まいのエリアの気候についても加味して自宅に適している給湯器を選んでみてください。
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長風呂は身体によくない? デメリットと効果的な入浴のポイント
入浴は日常の疲れを癒してリラックスできる至福のひとときですが、長風呂になると体に負担をかけることもあります。過度な入浴は脱水症状や血行不良などを引き起こす健康リスクを伴う場合も。
そこで今回は、長風呂のデメリットについて解説し、安全で快適に入浴を楽しむためのポイントや代替手段をご紹介します。
長風呂のデメリットとは?
長風呂(一般的にお湯に浸かる時間が20分を超える入浴)は、体が芯から温まる、むくみが緩和されるといったメリットがある一方で、その分汗をかいて体内の水分が失われ、脱水症状を引き起こす可能性があります。
また、体温の上昇が心臓や循環器系に負担をかけ、特に持病を持つ人や高齢者には危険です。
さらに長風呂は肌の乾燥を招くリスクもあります。長くお湯に浸かることで必要以上に皮脂が流れ落ち、肌のバリア機能が低下してしまうのです。
のぼせやめまいも注意が必要で、特に熱いお湯に長時間浸かるのは避けるべきです。交感神経が刺激されて寝つきが悪くなってしまう場合もあります。
入浴には心身のリラックス効果が期待でき、血行が促進されて筋肉の緊張がほぐれ、疲労回復や冷え性の改善につながります。
またストレス解消や質の良い睡眠をサポートするといったメリットがありますが、このような効果を享受するには適切な入浴時間と温度の管理が不可欠です。
疲れている場合も要注意! 長風呂を控えるべき人は?
体に負担をかける長風呂は、特定の条件に当てはまる方は注意が必要です。
高血圧や低血圧、また心臓病などの循環器系の持病を持つ方は、体温上昇による血流の変化で健康を悪化させるリスクがあります。
また、妊娠中の方も長風呂や熱いお湯は避けるべきです。体温が過度に上がると、胎児への影響が懸念されます。高齢者や子どもも、体温調節機能が未熟または低下しているため、のぼせや脱水症状を起こしやすいです。
これらに当てはまらない方でも、いつも以上に体が疲れているという場合は注意しましょう。
入浴で健康効果を得るポイント
ここでは、体に無理なくリラックスして健康効果を得るための入浴ポイントをご紹介します。
1.湯温の調整
お湯の温度は38~40℃のぬるめが理想です。これにより、リラックスを促す副交感神経が優位になり、血圧の急上昇や心臓への負担を防ぎます。特に、熱いお湯は短時間であってものぼせや肌の乾燥を招くため避けましょう。
2.適切な入浴時間の設定
湯船に浸かる時間はおよそ10~20分を目安にします。長時間の入浴は体温の上昇による疲労感や脱水症状を引き起こす可能性があるため、時間を守ることが重要です。
3.水分補給の徹底
入浴中は汗をかいて体内の水分が失われるため、脱水症状を防ぐために、入浴前後や途中で水分を摂ることを心がけましょう。
4.入浴後のケア
入浴後は肌が乾燥しやすいため、保湿クリームなどを使って肌の潤いを保つことも大切です。また、急激な冷えを防ぐため、浴室から出る際には体をしっかりと拭き、暖かい部屋で休むようにしましょう。
短時間でも楽しめるおすすめ入浴方法
短時間の入浴でも楽しめる代替手段を取り入れてみることもおすすめです。
足湯の活用
足湯は全身を湯船に浸けるほど体温を上げることなく、リラックスや血行促進の効果を得られる方法です。特に冬場の冷え性改善やリラックス効果が期待できます。お気に入りの入浴剤やアロマオイルを加えると、香りも楽しめます。
半身浴の実践
半身浴は湯船に下半身だけ浸かる方法で、体温上昇を穏やかにしながらリラクゼーションを楽しむことができます。ぬるめのお湯で行うと、長時間でも体に優しく効果的です。
自宅でのスパ体験
入浴剤やアロマを活用して、自宅で簡単にスパ体験を楽しむこともできます。短時間で効果を感じたい場合は、炭酸ガス系の入浴剤や発汗作用のあるものを選ぶと良いでしょう。
蒸気浴やフェイシャルスチーム
顔周りや頭部を温める蒸気浴もおすすめです。蒸しタオルやスチーマーを使えば、短時間でリラックスでき、肌の保湿効果も得られます。
こうした方法を取り入れることで、体に負担をかけずに癒しや美容効果を楽しむことが可能ですので、ぜひ行なってみてはいかがでしょうか?
まとめ
入浴はリラックスや美容に効果的な一方で、身体への負担を考慮したバランスが重要です。長時間の入浴には脱水症状や血行不良、体温調節の乱れといったリスクが伴います。特に心臓や血圧に問題がある人、妊娠中の方、高齢者や子どもは注意が必要です。
健康を守りながら入浴を楽しむには、適切な湯温や入浴時間を守るとともに、入浴後のケアや水分補給を忘れないことが大切です。また、足湯や半身浴、蒸気浴といった代替手段を取り入れることで、長風呂のような効果を短時間で得ることも可能です。安全で快適な入浴法を実践し、日々の疲れを癒しましょう。
大晦日を特別な日に! 一年の締めくくりに「年の湯」を楽しもう
大晦日にお風呂に入る「年の湯」の習慣は、日本の年末を彩る伝統のひとつです。
一年の疲れや汚れを洗い流し、心身ともに清らかな状態で新年を迎えるためという意味がある入浴で、柚子湯や薬草湯をはじめ、香りや保温効果を楽しむ工夫を加えれば、リラクゼーション効果も抜群。
ぜひ今年の締めくくりに、心も体もリフレッシュする年の湯をより特別なものにしませんか?
年の湯の歴史、込められた意味とは?
「年の湯」とは、大晦日に入浴することで一年の汚れを落とし、心身を清めて新年を迎えるための日本の伝統的な風習です。
その起源は古代日本の「禊(みそぎ)」という体を洗い清める習慣にさかのぼるといわれています。やがて入浴文化が普及すると、禊の代わりに大晦日の湯が取り入れられました。特に江戸時代には、庶民の間でも広く行われるようになり、地域によっては柚子や薬草を湯に浮かべる風習も見られます。
年の湯には、一年の穢れを洗い流し、清浄な状態で新年を迎えるという「浄化」の意味が込められています。
また、家族で入浴することで絆を深め、翌年の健康や繁栄を願う象徴的な行事としても位置づけられており、この風習は、現代でも心身のリフレッシュやリラクゼーションを兼ねた大切な年末の習慣として受け継がれています。
入浴グッズを活用して特別なひとときを
年の湯を特別なひとときにするためには、入浴剤やアロマを活用するのがおすすめです。
最もメジャーな選択肢としては「柚子湯」が挙げられます。柚子には血行を促進し、リラックス効果を高める働きがあり、古くから健康と魔除けを祈る象徴として親しまれてきました。また、ショウガ湯やヨモギ湯なども、体を芯から温めるだけでなく、肌のケアにも適しています。
より現代的なアレンジとしては、バスソルトやエッセンシャルオイルを加える方法があります。
ラベンダーやユーカリなどの香りは心を落ち着かせ、ストレスを軽減します。また、保湿成分が配合された入浴剤や炭酸ガス入りのものを使うと、肌ケアとリラクゼーションの両方を楽しむことができます。
さらに、入浴後のケアには保湿効果の高いクリームやオイルが役立ちます。特に乾燥が気になる冬には、肌をしっかり守るアイテムを選びましょう。
このような工夫を取り入れれば、年の湯がより豊かな癒しの時間になることでしょう。
気持ちよく新年を迎えるための入浴ポイント
年の湯で心身を整え、気持ちよく新年を迎える準備を整えるためには、以下のポイントも押さえておきましょう。
まずお湯の温度は38~40℃の少しぬるめに設定し、15~20分程度の入浴がおすすめです。この温度は体をじっくり温め、リラックス効果を高めます。入浴前には軽いストレッチを行い、血流を促進させるとさらに効果的です。
入浴中は一年を振り返り、達成したことや感謝したいことに思いを馳せる時間にしましょう。家族で楽しむ場合は、普段は話せない気持ちを共有する場としても最適です。柚子やアロマを加えると香りの効果でリラックスでき、より特別な時間となります。
また、浴室の安全対策も重要で、事前に温めてヒートショックを防ぎましょう。入浴後はしっかりと水分補給をし、肌の保湿ケアも忘れずに。
そして、大晦日に特別プランを提供する温泉地やスパもおすすめです。銭湯では、年越しのイベントや特別な薬湯を用意していることもありますので、ぜひ活用して、年の湯を充実した体験にしましょう。
まとめ
年の湯は、一年の穢れを洗い流し、新たな気持ちで新年を迎えるための日本ならではの伝統的な習慣です。歴史的背景や文化的意味を知ると、ただの入浴ではなく、心身をリセットする大切な時間であることが分かります。また、柚子やアロマを取り入れたり、便利なグッズを活用することで、年の湯をより特別なものに演出できます。
忙しい日々の中でも、一年最後の日を大切にすることで、体を温め健康を守るだけでなく、心の整理もできるでしょう。家族で過ごす場合は絆を深める機会にもなります。ぜひ工夫を凝らした年の湯で、すっきりとした気持ちで新しい一年を迎えてください。