ガス給湯器

2021-12-27

ガス給湯器にはどんな安全装置が付いている?

「あれ、お湯が出ない。どうしたんだろう」。
こんなときは給湯器の故障を疑いがちですが、故障以外の何らかの不具合・トラブルが発生したため給湯器の安全装置が作動した可能性も考えられます。
そこで、今回はユーザーの多いガス給湯器に備わっている安全装置の種類についてご紹介します。

ガス給湯器の安全装置の種類

ガス給湯器は、「水道とガスが供給される限りお湯切れの心配がない」「水圧が高い」「設置コストが比較的安価」「設置スペースを取らない」といったメリットがあり、国内では大きなシェアを占めている定番の給湯器です。
しかし、ガスという強力なエネルギーで火を起こすシステムであるため、電気温水器を比べると安全面で多少注意が必要な場面が多々あります。
このため、現在流通しているガス給湯器には次のような複数の安全装置が備わっており、異変を察知すると素早く作動して警報音やリモコンのエラー表示を通してユーザーに各種点検を促す設計になっています。

不完全燃焼防止装置

不完全燃焼防止装置は、酸素不足の状態で稼働している状態になると作動する安全装置です。
酸素不足のまま点火し、燃え続けると一酸化炭素が発生しますが、これが室内に充満すると一酸化炭素中毒事故を引き起こしてしまうため、不完全燃焼の状態をガス給湯器が察知すると稼働が止まるのです。

過熱防止装置

過熱防止装置は、ガス給湯器自体の温度が高温になったときに作動する安全装置です。これ以上高温になって火災になるのを防ぐため、作動すると稼働が止まり、ガスの供給もストップします。

停電時安全装置

停電時安全装置は、停電発生時に給湯器の稼働とガスの供給をストップさせる安全装置です。また、通電後も電気系統の不具合による事故を防ぐため、引き続き稼働中止の状態を維持する役割も担っています。

凍結防止装置

凍結防止装置は、給水配管の凍結によってお湯が出なくなったり、配管が破裂してしまったりすることを防止するための装置です。
一定の温度以下になるとヒーターで配管を温め始めるので、寒冷地にお住まいの方は作動している状態を頻繁に見かけるかもしれません。
凍結防止装置が作動しているときはトラブルが発生しているわけではありませんから、慌てないようにしましょう。

過電流防止装置

過電流防止装置は、ガス給湯器が過剰な電流を察知すると稼働を止める装置です。
雷が近くに落ちたときや、停電から復旧するときには大きな電流がガス給湯器に流れる可能性があり、給湯器の電気系統の故障につながります。
過電流防止装置はこのような故障を防止するための装置なのです。

空焚き安全装置

お湯が入っていない状態で追い焚きすることを「空焚き(からだき)」といい、空焚きの状態が続くと故障や火災の原因になります。
空焚き安全装置はこの空焚き状態を防止するための安全装置で、作動するとガスの供給と稼働をストップさせます。

立ち消え安全装置

立ち消え安全装置は、一度点火した火が何らかの理由により消えた場合にガスを遮断する安全装置です。
この安全装置が作動することで、火が消えたにもかかわらずガスが出続ける事態を防げます。

ガス給湯器の安全装置が作動したらどうすればいい?

安全装置(凍結防止装置以外)が作動した場合はお湯が使えなくなることがほとんどですし、前述の通り警報音やエラー表示が出るので焦ってしまうこともあるでしょう。
しかし、安全装置自体、事故を未然に防ぐためのもの。きちんと作動したということは、まだその時点では大事にならないという意味でもあります。
安全装置が作動したなと思ったら、落ち着いて、すぐにガス給湯器の取扱説明書に目を通し、一体どの安全装置が作動したのか確認しましょう。取扱説明書には警報音やエラー表示の意味、状況別対処法について詳しく解説されているはずです。

不完全燃焼安全装置と空焚き安全装置が作動したらすぐに窓を開けること!

不完全燃焼安全装置と空焚き安全装置が作動したとわかった場合は即座に窓を開けて一酸化炭素を含んだ排気ガスを外部に排出させましょう。そのままにしておくと一酸化炭素中毒事故につながる恐れがあります。
特に室内に設置されている台所用の瞬間湯沸かし器で作動した場合、一酸化炭素が室内に充満しやすいので素早く対処するようにしてください。
また、換気扇を回さないようにしましょう。換気扇では排気ガスを外へ排出できません。

警報音やエラー表示は覚えておいて損はなし!

不完全燃焼防止装置や空焚き安全装置、過熱防止装置など早急な対応が必要な装置の警報音やエラー表示の意味は、メモに書き出していつでも見えるところに貼っておくか、覚えておくことをおすすめします。

安全装置をリセットして使い続けないで!

エラー表示の意味がわからない、あるいはどうしてもお湯を使いたい場合などに安全装置をリセットして元に戻そうとする方がいらっしゃいますが、それはやめておきましょう。
リセットでは根本的な解決になりませんし、何より、不具合・トラブルを放置したままリセットして使い続けることは大変危険であり、大きな事故につながりかねないからです。

したがって、ガス給湯器のコンセントを抜いてリセットし、不具合を直さないで使い続けることはやめましょう。
ガス給湯器を安全に使い続けるためにも、安全装置が作動した場合は業者に点検してもらうことをおすすめします。

まとめ

まとめ
ガス給湯器に備わっている安全装置の種類についてご紹介しました。
安全装置が備わったことで、ガス給湯器に関連する事故は格段に減っています。
しかし、ユーザー側が安全装置の意義・重要性についてしっかり理解していなければ、折角の事故防止効果も半減してしまうでしょう。
今までガス給湯器の安全装置についてご存知なかった方はこの機会にぜひ、取扱説明書に目を通してみてはいかがでしょうか。

2021-03-08

「ガス給湯器のプロ」にお任せ! ガス機器関連の資格について

いつも私たちに温かいお湯を提供してくれるガス給湯器。その姿は一見シンプルな箱のようであり、「これなら交換ぐらいはできるかもしれない」と考える方も多いかもしれません。
しかし、よく見るとガス給湯器は複雑な構造で成り立っていますし、ガスやガス機器に関する深く・広い知識が求められるため、複数のガス関連資格が存在するのをご存知でしょうか?

そこで今回は、ガス機器に関連する資格についてご紹介します。

ガス給湯器の設置や交換には資格が必要!

蛇口をひねったり、湯沸しボタンを押したりすれば簡単にたくさんのお湯が使えるのは高性能なガス給湯器とガス供給のおかげですが、どちらも安全に利用するためには専門知識を持った人材による監督・工事が必要であり、専門知識があることを証明する資格もあります。

したがって、専門知識を習得していない無資格者がガス給湯器の設置や交換を行うことは御法度であり、扱うガス機器の種類によっては国家資格保有者による工事でなければ法律で罰せられてしまうこともあるのです。

そもそも、ガス給湯器はガスという大きなエネルギーを発生させる燃料を使用するため、専門知識のない方が工事をするのは大変危険であり、大きな事故につながる恐れがあります。
「ガス機器の取り付け・交換・修理は有資格者に任せる」。このガス給湯器メンテナンスの原則はしっかり覚えておきましょう。

ガス給湯器に関連する資格には何がある?

それでは、ガス給湯器を扱えるガス関連資格にはどのようなものがあるのかみていきます。
通常、ガス給湯器の設置や交換を業者に依頼する際は次のような資格を標榜していることが多いので、業者選びの基準にすることもできます。

ガス機器設置スペシャリスト

ガス機器設置スペシャリストは東京ガスや大阪ガスなどの団体から構成される、ガス機器設置技能資格制度運営委員会による民間資格です。
資格取得にはガス給湯器や床暖房などのガス機器の工事に必要とされる知識と技能を習得する必要があるため、この資格の保有者が在籍している業者であれば、安心してガス給湯器の取り付けや交換を依頼できるでしょう。

液化石油ガス設備士

液化石油ガス設備士は、LPガス(プロパンガス)を使用するガス機器の工事を行うために必要な国家資格です。
択一式と記述式試験でガスと法令に関する知識をみっちり問われた後は実務に即した技能試験も実施されるなど、ガス関連の国家資格として相応しいハードルが用意されています。
LPガス関連の工事は十分な知識と経験に基づいて行われなければ爆発や火災などの大きな事故につながってしまうため、LPガス使用の給湯器の工事を無資格者が行うと法律違反となり、処罰されてしまいます。

ガス消費機器設置工事監督者

ガス消費機器設置工事監督者は、ガスバーナー付きの風呂釜と排気筒、瞬間湯沸し器など特定のガス機器の工事を行う際に現場で指示を与え、施工を監督するための国家資格です。
そのため、一般的なガス給湯器の設置や交換において必ず求められるものではありませんが、ガス機器の安全な取り扱いについて十分な知識があるという証明になります。
なお、液化石油ガス設備士の資格を取得すると、こちらの資格も同時に取得できます。

簡易内管施工士

簡易内管施工士は、都市ガス利用のガス機器工事の際のガス栓の増設・位置変更ができる民間資格です。
工事できるのは都市ガスが供給されている世帯のみですが、一般家庭におけるガス機器まわりのプロフェッショナルともいえるため、主に一般家庭を対象としている業者であれば取得してる可能性が非常に高い資格です。

ガス可とう管接続工事監督者

ガス可とう管接続工事監督者は、ガス機器とガス栓の接続工事ができる知識や技能があることを証明する民間資格で、講習会を受講して資格を取得します。
ガス機器とガス栓をつなぐ金属可とう管や強化ガスホースはガス機器利用の「生命線」であり、しっかりとした安全対策が必要なため、このような資格が創設されました。

ガス給湯器の取り外しにも資格や専門知識が必要

ガス給湯器の取り外しにも資格や専門知識が必要
ガス給湯器をはじめとする、ガス機器の設置や交換には上記のような各種資格と専門知識が必要ですが、それは取り外しにおいても同じです。
特にプロパンガス使用のガス機器の取り外しについては無資格者が行うと法律で罰せられる可能性があります。
ガス機器は設置から取り外しまですべてプロに任せるのが一番だと心得ましょう。

まとめ

ガス機器に関連する資格についてご紹介しました。現代のガス機器は非常に便利なシステムですが、そのシステムを支えているのはガス機器関連の知識と技術に長けているガスのプロフェッショナルです。
これからガス給湯器の購入や交換を検討している方は、この点をぜひ認識していただいた上で業者探しをしてくださいね。

2018-12-27

ガス給湯器とはどう違う? 電気給湯器のメリットとデメリット

日本ではガス給湯器を使っている家庭が多いですが、昨今では電力の自由化が後押しとなり、電気給湯器の普及率も高まってきています。
しかし、まだまだ電気給湯器のことはよく知らないという人も多いのが現状です。

そこで、今回は電気給湯器のメリットとデメリットをご紹介いたします。

電気給湯器は寿命が長い?!

電気給湯器のメリットはいくつかありますが、その中でも大きな魅力のひとつは寿命の長さです。

電気給湯器はガス給湯器と基本的な仕組みが異なるため、ガス給湯器のようにガスの火で燃焼している箇所の配管が劣化しやすいなどのリスクがありません。
そのため、電気給湯器の平均的な寿命は約20年となり、ガス給湯器と比べると2倍近く長いといわれています。

給湯器のスペックや設置場所によっては、設置費用や本体価格などに差があるため一概にどちらがお得とはいえませんが、修理や買い替えの費用についてはガス給湯器より少なく済む計算になります。

電気給湯器は非常時にも役立つ!

電気給湯器は電気使用量が安い夜間にまとめてお湯を沸かすため、ガス代を使うガス給湯器に比べて経済的であることもメリットとして挙げられます。

また、沸かしたお湯を保温してタンクに貯めておき、そこから必要な分を使うという仕組みになっているので、非常時にもお湯が使えるという大きな利点があります。

一方で、ガス給湯器は使用に応じてその都度お湯を沸かしているため、ガスや水道が止まってしまえば当然すぐにお湯が使えなくなってしまいます。

停電してしまったら電気給湯器はどうなる?

非常時に停電してしまった場合、電気給湯器はどうなってしまうのでしょうか?

大きな災害のときなどは停電してしまうこともありますが、電気は各種ライフラインの中でも比較的早い段階で復旧するケースが多いことが知られています。

東日本大震災の際も多くの地域でまずは電気、その次に水道、そして最後にガスという順番で復旧しました。
水道や電気は前後するところもありますが、ほとんどのところでガスの復旧が最後になるということをふまえると、災害時には電気給湯器の方が早い段階で使用可能になるケースが多いと考えられます。

日本は地震が多い国ですから、こういったメリットも大事ですよね。

電気給湯器のデメリットとは

電気給湯器のデメリットとは
電気給湯器のデメリットとしては、水圧が低いということが挙げられます。

水道の配管に直接つながっているガス給湯器と違い、一度タンクに貯めたお湯を使う電気給湯器では水圧がどうしても弱くなりがちです。
基本的な使用に問題はありませんが、シャワーの際など勢いよくお湯を出したいときは少し物足りないかもしれません。

さらに、沸かしたお湯を貯めるタンクの設置場所も必要になるため、ガス給湯器に比べて場所を多く取り、設置費用も高くなってしまいます。
また、タンクに貯めたお湯がなくなる「お湯切れ」には注意が必要です。

しかし、電気給湯器の方が寿命は長く、ガス給湯器に比べて修理や買い替えの費用は少なく済むメリットもありますので、給湯器を選定する際はどちらがご家庭の利用スタイルに合っているかよく検討してから決めましょう。

まとめ

電気給湯器のメリットとデメリットをご紹介いたしました。
給湯器を選ぶ際は、ガス給湯器と比べてどちらが家庭やライフスタイルにメリットが多いのかを考えることが大切です。

双方の特徴を知った上で、色々な面から自宅に設置する給湯器を選んでみてくださいね。

2018-09-07

お得なのはどちら? お風呂のお湯を沸かすガス給湯器と電気給湯器の違い

お風呂で適温のお湯を提供し続けてくれる、毎日の生活に欠かせない便利な生活機器のひとつでもある「給湯器」。
そんな給湯器ですが、実はいくつかの種類があることはご存知でしょうか?

元々はガスを使った「ガス給湯器」が主流でしたが、最近では電気を使う「電気給湯器」も人気を集めています。

ガス給湯器と電気給湯器、どちらもお風呂のお湯を沸かすという用途は共通していますが、その仕組みや費用には違いがあります。

給湯器の購入を検討する際はそれぞれの仕様を知り、家族構成やライフスタイルに照らし合わせて、本当に適した給湯器はどちらなのか考えることが大切です。
ここでは、ガス給湯器と電気給湯器の違いについてご紹介いたします。

ガス給湯器の主な特徴

「ガス給湯器」は、ガスを使って水を加熱しながらお湯を出すという仕組みの給湯器です。

お湯の温度の調節はガスの量で行なっています。
設定温度を下げると使用されるガスの量が減り、逆に設定温度を上げるとガスの消費量が増えます。

現在の主なガス給湯器は「瞬間式」と呼ばれる種類のもので、主にプロパンガスや都市ガスを燃料にしてお湯を沸かします。

そして瞬間式のガス給湯器の強みは、必要なときに必要なだけお湯を沸かせることです。

例えば誰かがお風呂に入っていると同時に、別の人がキッチンで洗いものをしているという状況でも、問題なくお湯が使えます。

家族の人数が多く、同時に複数の場所でお湯を使うことが多いご家庭にはぴったりの給湯器です。

電気給湯器の主な特徴

ガス給湯器がお湯を使うときに沸かしてくれるのに対し、電気給湯器はあらかじめ沸かしたお湯をタンクに貯めておき、必要なときに使用するという仕組みの給湯器です。

電気代の安い夜間を利用し、1日分のお湯を沸かして貯めておけるため電気代の節約にもなり、ガス給湯器よりも割安でお湯が沸かせるのが特徴です。

もしタンクに貯めておいたお湯を使い切ってしまっても、自動的にお湯の沸き増しが行なわれます。普段より使いすぎても、その日はお湯が使えなくなるという事にはなりません。

しかし、足りなくなった分のお湯を昼間に沸かすことになると、その分の電気代は割高になってしまうので注意が必要です。

ガス給湯器と電気給湯器、どちらがお得?


一般的に、ガス給湯器の場合は購入・設置費用が安く、電気給湯器の場合は毎日使用していく中でかかるランニングコストが安い、という傾向があります。

給湯器を選ぶ際は、購入・設置費用とランニングコストの合計で考える必要がありますが、最近のガス給湯器は省エネを実現し、ランニングコストもかなり抑えられているため、トータルコストにはガス給湯器・電気給湯器いずれを選んでもあまり差がないといわれています。

しかし、ランニングコストは、お湯をどう使うかによって大きく変わってきます。
実際に給湯器を導入する際は、家族構成やライフスタイルなどを考慮し、数年先のことも考えた上で検討することが大切です。

まとめ

給湯器の購入は、家族の人数や設置場所、お湯を使う量などを考慮し、将来的な家族構成やライフスタイルの変化も考えて、ベストなものを選びましょう。

「そうは言っても給湯器のことはよくわからない」「自分のライフスタイルには、どんな給湯器が適しているんだろう?」と思われる方も多いと思います。
そんな時は、専門の知識を持った専門家に相談してみることをおすすめします。
ご自身では気づかなかった最適な給湯器を探すお手伝いをしてもらえるかもしれませんよ。

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